2009年11月26日

パリの日本食レストランは質と値段のバランスで勝負した方が良い


Paris, France
Business Media 誠:松田雅央の時事日想:“ニセジャポ”にダマされてはいけない……海外の日本食事情 (その1)にパリの日本食レストランについての記事が出ていました。パリで、おかしな日本食が蔓延していて、外国人が日本食に失望することを心配する記事です。正しい日本食を評価し推進する組織も、「スシポリス」、「日本人以外が経営する店の締め出すナショナリズムの障壁」などと批判を浴びています。

パリの日本食レストラン

日本食はパリの人たちが皆でレストランに行くときの選択肢(中華、イタリアン、マグレブ、洋食一般)に入っていることが多いです。引用にもあるように健康食ブームの波に乗っているという推測もあります。また、友人曰くイスラム教の人は中華よりも日本食を選ぶことが多いそうです。イスラム教の人は豚を食べず、牛、鳥、山羊など他の肉もイスラムの法に則った殺し方をした物でない限り食べません。一方、魚と野菜については拘束がないので、刺身、寿司、天ぷら、うどんなどイスラム教の人が食べられる食事が多いからだそうです。
例えばパリ。ここ数年の日本食ブームで日本食レストランが続々開店し、近郊を含めれば600軒以上、一説によれば約1000軒が営業している。日本食の持つ健康食のイメージがウケているようだ。海外の日本食事情 (その1)
パリの日本食を問題にするときには、中華料理から日本料理に鞍替えしたレストランが取り上げられます。パリでは日本食はヘルシーでオシャレなイメージがついているため、量が少なくても高い料金を設定できるために、儲かるとみられています。
問題は、もうかるという理由だけで他の業種から日本食レストランへ安易に鞍替えする店が非常に多いこと。傾向として中華レストランから日本食レストランに変身する店が目立つ。海外の日本食事情 (その1)

顧客の嗜好に合わせた料理を出す営業努力

日本食の料理経験が少ない店では、当然へんてこな日本料理が出てきます。誘われて二軒だけ行ったことがあるのですが、酢飯が妙に甘い寿司、刺身のつまの部分がキャベツのサラダに置き換えられている刺身が出てきました。また、味噌汁にレンゲがついていたり、1.味噌汁、2.刺身、3.焼き鳥とごはん、というようにフレンチのように三度に分けて運ばれてくるスタイルも人気です。また、ウナギにかける甘いタレのような物をご飯にかけるためにテーブルに常備されています。

これらの料理をへんてこだと笑うのは簡単ですが、なかなか考えられていると感心しました。まず、フランスではスープをお皿を持って口に注ぎ込むのはマナー違反ととらえる人もいます。レンゲはマナー違反を気にするフランス人には必須でしょう。また、刺身のつまがキャベツサラダだったのは衝撃ですが、ほとんどの人が食べないつまはもったいないし、食べても味がないし、フランスではきっと高価だろうし、おいしく安価なキャベツサラダに置き換えるのは理にかなっています。

また、基本的にフランス人は口中調味をしません。パンとチーズ、パンとハムを一緒に食べますが、パンを口に入れてからチーズを口に入れれば一緒だという考え方をしません。必ず、パンの上にチーズを置いてから口に運びます。なので日本の定食を食べるときは、おかずを完食してから白米だけを食べるようなことになり、かなりの日本通でも満遍なく食べたりしません。ウナギのタレがテーブルの常備されているのは、味気ない白米だけを食べることになるフランス人の需要を考えての正しい営業努力だといえます。

(パリのインド料理でみた営業努力は、カレーにつけるナンにとろけたチーズを挟んであるものでした。ナンだけで食べてもピザのように美味しいようになっていました。)

パリの本物の日本食は分が悪いのか

安かろう不味かろうの偽日本食が台頭してくると、本物の日本食が割高に感じられて敬遠されることになります。スシポリスの人たちは悪貨が良貨を駆逐するような状況を好ましく思っていないのでしょう。しかし、パリのほとんどの人は偽物の日本食レストランが乱立していることを知っていますし、できれば本物の日本食を食べたいと考えています。正しい日本食が提供されていれば、口コミでそのことは伝わるでしょう。僕もフランス人と日本食を食べたときには、おかしな日本食に驚いたことは率直に伝えて、日本ではどうかコメントしたりしています。フランス人にとっても本物の日本食の方が魅力が高いのです。それでも、本物の日本食が、安かろう不味かろうの偽日本食に押されているのには別に理由があるはずです。

レストランは現地の客を満足させる質と値段を

正しい日本食のほうが魅力が高いのにもかかわらず、間違った日本食が受け入れられているのは、やはり価格です。正しい日本食は間違った日本食よりも高い傾向があります。正しい日本食が客を獲得できないならば、それは客を満足させる値段で満足な質を提供できていないと認めるべきです。

ちなみに僕は、朝ご飯は白米とおかずと味噌汁を食べていますが、日本食レストランには友人に誘われたときしか行きません。そしてその時に行ったのは二度とも間違った日本食でした。しかし自分で選ぶ場合にも安い方のレストランを選ぶかも知れません。パリの客に提供されている選択肢は、1000円の間違った日本定食か、3000円の正しい日本定食かということなのです。僕の場合は、日本と同じ価格で、日本と同じ質の日本食を食べるのは無理だとあきらめているので、へんてこな日本食への興味心もあり手頃価格の日本食を選ぶと思います。

正しい日本食が価格と質の面で競争力を持つことを希望しますが、どのレストランに行くかは価格と質を比べて客が決めます。スシポリスは衛生面の指導など基本的な部分をのぞいて必要ないでしょう。

2 comments:

onaneet さんのコメント...

確かにパリには日本食レストランは多いですね。OperaとかPyramid駅あたりは日本食レストランだらけだし、他のところでも歩いているとよく、ここにもあるなって思うことがあります。

いくつかパリの日本食レストランを試してみたことはあるのですが、例えばラーメンの麺はインスタントラーメンみたいで、おまけに日本円換算で1,300円くらいしたり(当時のレート)、これは要改善だなと思ったものです。これは現地向けにアレンジされているのではなく、明らかに手抜きだなと感じたため、結局、最初の何回か日本食レストランに行ってみて、すぐに行かなくなりました。10ユーロあれば結構他のところでよいものが食べられます。

しかし、フランスの最低時給はたしか9ユーロ弱、パリはもしかしたらもっと高いのかも。1ユーロ135円として、最低時給が1,215円。民主党が最低時給を1,000円に上げると言って、それは無理だと方々から聴こえてきます。東京だと760円くらいが最低ですが、近隣の県に出てしまうと一気に下がります。感覚としては時給700円くらいで働いている人も多いのです。パリの方が倍くらい物価が高いのは仕方がないのかも知れません。しかし、それでもインスタントラーメンのような麺に10ユーロは高い。

ええと、何について書いているんだっけ。まとまりがなくなったのでこの辺で。。。

P.S. 日本食って意外と幅が広いはず。定食屋なんかはあまりみないけど、結構海外でもいけるのではないかと。

Madeleine Sophie さんのコメント...

onaneetさん、
確かに手抜きの日本食はよくありますね。パリの人は味がわからないと思って、高い料金を設定しておきながら、適当に作ってるのは、がっかりしますね。

まあ、パリのレストランは相場が高いので、九ユーロだとかなり安い方だと思います。こんなに安いのに、少し高級な感じがする日本食が食べられるというお得感があるのかも知れません。

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