2009年8月5日

自由のスパイラルから脱出を目指す怠け者同盟


Deauville, France
怠け者同盟の社会と働き者の社会の間の競争の中の日本」のコメント欄と、「どんなに素晴らしい価値観であっても、価値観の「強制」には反対する - Zopeジャンキー日記」で怠け者同盟の価値観に対して反対の意見をいただいたので、少し補足していこうと思います。

まず、「怠け者同盟の社会は人類の未来 このエントリーを含むはてなブックマーク」から始まる4つのエントリで抜けていた視点として、自由主義の限界について補足します。抜けていた理由としては、4つのエントリが「働きすぎて日本人の幸福度は低い」という命題への分析を目的としていたからです。自由主義の限界として、競争のエスカレートによって1. 個人の資源(体力、時間)が無駄に消費されるというだけでなく、2.世界全体の資源も無駄に使われるという点があります。

自由主義の限界

例えば、GDPが年率2%拡大していく社会では、GDPは100年で7倍になり、1000年で4億倍になります(404 Blog Not Found:GDPを一日で倍にする方法(の耐えられない軽さ))。 エネルギー資源、人的資源、労働時間を果てしなく投入し続けて経済的繁栄を目指すことが、人々の幸せにつながる時代は終わろうしています。それは、地球の支えられる資源の制約、人の体力の制約、24時間と言う人に与えられた時間の制約などが限界に近づいているからです。だれもが自由に働ける社会では、競争の激化によって社会の資源、個人の資源が際限なくつぎ込まれていきます。

自由至上主義は全員に自由を強要する

生まれた時から自由が尊いものだとされている社会に暮らしていると認識しづらいのですが、「自由」もまた押し付けられた価値観です。同僚がサービス残業・休日出勤を繰り返していれば、同様の成果を上げるために自分もサービス残業・休日出勤を余儀なくされてしまいます。ライバル店がサービス残業・休日出勤を繰り返していれば、自社もサービス残業・休日出勤で対抗しなければ、社員が路頭に迷います。競争は止めどなく激化し、巻き込まれたものは「自由に働くこと」を強制されてしまうのです。同僚、ライバル店のどちらの例でも、対抗しないと重大な損害を被ることが目に見えており、怠ける自由はありません。

自由の理念であれ、怠け者の理念であれ、理念は本質的に価値観の押しつけなのです。押し付けられない理念は主張する価値がありません。逆に言えば、他人に押し付ける正当性がある論理を理念を呼ぶと言っても良いと思います。以下の引用はその視点が抜けているように感じました。
どんなに素晴らしい価値観であっても、価値観の「強制」には反対する - Zopeジャンキー日記
社会主義やパターナリズムは、いくら「良心」や「善意」に基づいていても、単一の価値観を「強制」するという点が、「社会設計」として基本的に間違ってい ると思う。それは国や社会の経済的な「生き残り戦略」としても失敗するだろうし、規制がどんどん間違った方向に行ったり、悪い人間が権力を得てしまった場 合、最悪の結末にもなりうる

ヨーロッパで評判の悪くなってきた「自由」

フランスでは「自由」、「自由」を連呼すると顔をしかめられてしまうぐらいまで、自由という言葉に対する肯定的な意味合いが薄れています。[書評] 日本とフランス 二つの民主主義にあるように、ヨーロッパでは自由というのが悪い意味を持ち始めています。欧州憲法は左派陣営からの「リベラル」、「ウルトラ・リベラル」という批判を受けて、フランスでは否決されてしまいました。「Constitution européenne(欧州憲法)」で検索すると「La Constitution européenne est-elle libérale ?(欧州憲法はリベラルか?)」という文章に当たります。欧州憲法は本当にリベラルだったのか分析する記事ですが、これでもリベラルは悪い意味として取られています。[書評] 日本とフランス 二つの民主主義では以下の通りに書かれていました。
「ちなみに、ヨーロッパではリベラルという言葉がそれほど肯定的な響きを持っていない。特に左派は、リベラルという語を嫌悪さえしている。, p73」
(アメリカのリベラルは宗教的リベラルのことなので注意が必要です。ヨーロッパではリベラル=自由主義的市場経済=右派、アメリカではリベラル=宗教的自由=左派。)

自由を制限する「フランス人」

自由という概念が飛躍的に進歩したのは、1776年のアメリカ独立宣言と1789年のフランス人権宣言だといわれています。「フランス人」は自由の生みの親と言っても言い過ぎではないぐらいです。その生みの親が自由を制限すると言っているのは、注目しても良い理由だと思います。アメリカは現在も一貫して自由主義論者ですが、フランスは自由主義を修正して来ました。フランスは自由の効用を正確に把握しつつ、その弊害を問題としていると言って良いでしょう。「フランスから見えるアメリカは浅はかな国 このエントリーを含むはてなブックマーク」では、フランスからみると未だに自由主義を後生大事に抱えているアメリカが多少浅はかに見えることも書いてきました。アメリカの後ろで自由主義の踊りを踊っている日本は、それ以上に浅はかに見えるかもしれません。

染み付いた自由幻想を捨てて自由に発想しよう

例えば、今僕は27歳です。運良く寿命を全うできればあと50年この世の楽しみを享受できます。正月に親戚一同が集まり酒を飲みながら語らったり、一年で一番すばらしい季節にのんびりヴァカンスを取る権利が50回ずつある計算になります(ほぼ全てのヨーロッパ人は夏が一番好きです、だからヴァカンスは夏です)。ここで全ての余計な幻想を取り払って幸福とは何かを考えてみます。

多くの人は何の目的で自分がこの世に存在しているのか知りません。ある人は世界の真理を探していますが、見つけるのは不可能です。また、会社の売り上げを伸ばし、社会に貢献して社会をよりよいものに変えていくといった意見もあるでしょうが、文明をどこまで発達させることが目的なのか知りません。自分が死ぬ日に文明を一歩押し上げたことを誇りにして満足して死ねるでしょうか。こう考えていくと、「自分が何のために存在しているかは多分分からないけど、与えられた人生を楽しみたい」といった落としどころが適当に思えてきます。つまり、正月は親戚一同が集まって語らいあい、8月中いっぱいは仕事にも邪魔されずのんびりするという方向です。

ところが、自由に働けるとあれば、同僚が正月とヴァカンスを取らない「自由」を持ちます。出世競争で負けたくなければ、自分も働くしか無いでしょう。また、ライバル店が同僚が正月とヴァカンスを取らない「自由」を持てば、自社の社員が路頭に迷わないためにも、対抗して正月とヴァカンスに働くことになります。つまり全員がエスカレートした競争に巻き込まれていきます。こう考えていくと以下の引用にあるように、誰かの「働く自由」が誰かの「怠ける自由」を犯していることが分かります。
どんなに素晴らしい価値観であっても、価値観の「強制」には反対する - Zopeジャンキー日記
朝から晩まで1年365日働くのも本人の自由だし、そういう会社を作るのも自由、そういう会社に入るのも自由だと私は考える。逆に、週休6日制の会社が あってもいいし、週に4時間しか働かない人がいてもいい。勤務時間も、給与体系も、評価基準も、会社が自由に決めればいいと思う。雇用契約や市場取引と いったものは、本来は当事者間の合意によるものだから、どこにも「強制」は入り込まない。当事者が自分で納得して選択している限り、何をやろうが「自由」 だと思う。
そして、誰もが何も心配なく休暇を取るためには、自由な競争は制限されるべきだという結論に行き着くのです。

自由至上主義を守るには代案が必要

それでも、あくまで自由至上主義を守りたいならば、対抗する理念を確立するべきでしょう。「自由の制限」が競争のエスカレートによる世界と個人の資源の浪費を抑える解決策として登場した以上、自由を最上のものと置く論理だけでは自由の理念は守れません。つまり、あくまで自由至上主義を守りたいなら、競争のエスカレートによる世界と個人の資源の浪費を抑える解決策の代案を提示しなければなりません。以下のように「自由は尊いので自由の制限に反対する」という論理だけでは、自由至上主義を守るのに全く不十分です。
どんなに素晴らしい価値観であっても、価値観の「強制」には反対する - Zopeジャンキー日記
どんなに素晴らしい価値観であっても、それを画一的に「強制」することは間違いだと私は考える。何らかの価値観を「強制」するのではなく、本人の「自由」にさせること、これがもっとも重要なことだと私は信じている。「強制」が認められるのは、他者の「自由」を侵すことを禁じる場合だけであり、他者の「自由」を侵さない限り、何をしても「自由」であるべきだと私は考える。

最後に

怠け者同盟の社会は人類の未来 このエントリーを含むはてなブックマーク」から始まる4つのエントリでは、現在のフランスの風潮を分析して、未来の予想をしたものです。新しい概念である「怠け者同盟」をより先進的な社会と描いてますが、これは説明のための方便です。僕が興味があるのは、怠け者の外圧が日本にも押し寄せた時、日本人が彼らの背後にある思想を理解した上で、反発するなり、従うなりするべきだということです。そして、「怠け者同盟の社会と働き者の社会の間の競争の中の日本」で書いたように「植民地主義」、「自由な市場による経済戦争」と仕方なく世界のルールに従ってきた日本ですが、今度の外圧ばかりは日本を益するものだと考えています。
  1. 怠け者同盟の社会のまとめ
  2. 怠け者同盟の社会は人類の未来
  3. 怠け者同盟の社会が働き者の社会に対抗する手段
  4. 怠け者同盟の社会と働き者の社会の間の競争の中のフランス
  5. 怠け者同盟の社会と働き者の社会の間の競争の中の日本
  6. 怠け者同盟の社会の中で輝きを取り戻す日本
  7. 自由のスパイラルから脱出を目指す怠け者同盟(本エントリ)
  8. 労働に対する社会の仕組みを試験に例える
  9. ベーシック・インカムよりも怠け者同盟の社会 このエントリーを含むはてなブックマーク

17 comments:

cy さんのコメント...

あなたがフランスを貶めるアジア人か
なぜあなたがフランス人を怠惰な人種と呼ぶのか理解できないです
そして私は激怒してます

もしフランスが嫌いならば出ていくことを勧めます
われらは日本の文化に寛容であるがこれ以上の侮辱は許さないです
この考えをやめなさい
この考えになる理由が見つからない
われらは差別を嫌います
日本の漫画も好きな人種です

だがあなたのような差別主義人は我々がもっとも嫌います
そのことは住んでいるあなたは理解しると思います

日本の勉強を好むのもどうでもいいです

なぜならば文化の違いであるからです

あなたの言った圧力は妄想で終わります


日本人があなたのような差別を好む人種ならば我らは悲しむでしょう

あなたは自分の国の信頼までを崩そうとしていることに気づくでしょう
早くしてください

La caque sent toujours le hareng.

>その性格はあなたの外見をもさらけだします

理解してください

neet-man さんのコメント...

他人が勝つのは自由。あなたが負けるのも自由。
他人の足を引っ張って、勝てなくするのは他人の消極的自由を侵害する。

>誰かの「働く自由」が誰かの「怠ける自由」を犯していることが分かります。

誰かの「怠ける自由」を誰かの「働く自由」が侵害していることへの復讐ですか。

くだらない。



>出世競争で負けたくなければ、自分も働くしか無いでしょう。

誰かが勝って、あなたが負ける、それでいいじゃないですか。

負ける覚悟の無い人間に、怠け者を名乗る資格は無い。

あなたの言う「自由」とは自己都合のこと。
あなたは日本の下劣な左翼、ブサヨと同じ。
日本に帰れば同志がたくさんいますよ。

Madeleine Sophie さんのコメント...

Cy.

Je suis vraiment désolé de vous irriter par ce texte. Je suppose que vous êtes français. Effectivement, namakemono fait un peu mouvais sens. Mais namakemono n'est pas mal avec ce contexte. Par exemple, la série commence "Le Société de l'alliance des paresseux est le futur d'humain". Le Namakemono n'est pas vraiment pas mal avec ce sens.

Je voudrais vous exprimer pourquoi j'ai utilisé Namakemono avec cette série. C'est parce que je voudrais proposer à public que travailler comme française. Au Japon, situation de travail ne va pas à couse de son assiduité. Il faut travailler plus que son contras sans être payé.

サービス残業 wikipedia

J'aime bien la France et français après le Japon et Japonais. Vous pouvez trouver motivation du blog ici. -->このブログについて

En plus j'ai commencé ce blog pour tirer plus de japonais en France. Donc les premiers pages commence par "recommadation d'aller en France". -->フランス留学のススメ

La liste de "entries" est là. -->投稿エントリのタイトル一覧

Je vous remercie de votre comment .

Cordialement.
Sophie

Madeleine Sophie さんのコメント...

neet-manさん....

さすがにネタですよね....

社会弱者といわれるニートの人々が、弱肉強食な世界への支持を表明する悲しさを表現しているとか...

> あなたの言う「自由」とは自己都合のこと。
???

匿名 さんのコメント...

概ねよく書けている記事だと思います。著者はこのシリーズや他のエントリの中で繰り返し、西欧と日本の「自由」(自由至上主義の自由)の捉え方の違いをわかりやすく説明し、フランスの「働く自由を制限する社会」について、是非はともかく、知って置くべきだ、と言っています。フランスで働いた経験があるので、非常に共感できました。

社会に「ニート」と括られてしまった、どちらかというと「自由」の被害者とも言える若者ですら、それでも「自由」でいいと言っているのですから、日本の価値観をはずして、他の思想をすぐに理解してもらうというのはなかなか困難なことなのかもしれません。今後も繰り返し、同じような内容を紹介して欲しいと思います。

匿名 さんのコメント...

昔、ナイキとアディダスが、最近では、エリクソンが、発展途上国で、現地工場主の利益追求の為に、名を落とされた事がありましたよね。
顧客にはより良いサービス、製造者及び製造地に何が起ころうと、それは関知しない、
と報道されていました。
私は幼稚なので、今でも信じています。今持っているのは捨てずに使っていますが、今後3社の製品は買いたくありません。

有害物質を川に流すのも自由、30メートル鉄塔に命綱さえ付けず、転落死させるのも自由。
はたまた、熱湯の中に作業者が落ちて死亡するのも自由。そして12万渡して終わり。

法律と宗教により、人は人であり続けられる。一線を超えられれば大金が手に入るなら、超える人もいる事はアフガニスタンで証明済みだと思っています。
そんな人が、巨額の資金を得て大企業を買収したとします。労働者の命は12万になると思うのは幼稚な性なのでしょうね。

Madeleine Sophie さんのコメント...

みなさん、コメントありがとうございます。

> 社会に「ニート」と括られてしまった、どちらかというと「自由」の被害者とも言える若者ですら、それでも「自由」でいいと言っているのですから、日本の価値観をはずして、他の思想をすぐに理解してもらうというのはなかなか困難なことなのかもしれません。今後も繰り返し、同じような内容を紹介して欲しいと思います。

そうですね。フランスにいると素直に理解できるような事柄が日本にいると伝わりにくい感覚であることもありそうですね。何度も書くことで僕の考えもまとまってくるし、読者も何度も触れると分かるタイプの話かも知れないので、シリースが終わってもたまに触れようと思います。

> 有害物質を川に流すのも自由、30メートル鉄塔に命綱さえ付けず、転落死させるのも自由。
>はたまた、熱湯の中に作業者が落ちて死亡するのも自由。そして12万渡して終わり。


労働条件に加えて、有害物質の話をいれるのも良いですね。自由を制限する理由としては分かりやすい例だと思います。何でも自由にすると強者が弱者を搾取するようになるというのは、残念ながら普遍的な傾向ですからね。人類が十分に賢ければ、無制限の自由は制限されていくだろうと思います。

nanami さんのコメント...

初めまして。お若くて優秀な方なんですね。
凄いでです。
この件に関しては外圧万歳!と思うのですが、こと国民の権利や幸福に関する問題だとこの国は意固地になる部分が大きいような。
共同体の利益と構成員の利益は相反する事もあると思うのですが、外から指摘されると何故か一枚岩になって対抗する傾向があると思います。
構成員一人一人を苦しめる伝統や文化なんて、尊重する必要はないと思うのですが。
そこから逃げ出すにも、よほど優秀でないと難しいのが日本の現状ですし。

mojix さんのコメント...

私のエントリに反応いただき、ありがとうございます。
自由を問題にする場合は、自分の労働力や時間という「自分の資源」と、市場の外にある「共有の資源」(経済学でいう「外部性」)は、まったく異なる扱いをする必要があります。
私を含む自由主義者は、自分の労働力や時間という「自分の資源」をどう使うかについて、他人や国の介入を許さないのであって、有害物質を川に流すといった、「共有の資源」を毀損すること(フリーライド)を奨励しているわけではありません。

匿名 さんのコメント...

最後になって突然、『自由主義』を狂信的な『自由至上主義』にはっきりとすりかえるなんて、明らかにやり方として問題があるのでは?

結局、『怠け者同盟』という奇抜な呼び名以外に何か新しい発明はありましたか?

ナイキなどのグローバル企業が起こした問題は、随分前にSweatshop問題としてPaul Krugmanなどの経済学者を巻き込んだ論争にもなりましたよね。それ以外にも、近代化の速度を制御して、伝統文化を守りながら、ゆったりとした幸福な生活を目指す辺境の小国の話とかもありますよね。

結局のところ、古くからある話題に革命やイデオロギー闘争とか覇権とか同盟とかの装飾を施したというだけの話ですか?

Madeleine Sophie さんのコメント...

nanamiさん、mojixさん、コメントありがとうございます。

> 共同体の利益と構成員の利益は相反する事もあると思うのですが、外から指摘されると何故か一枚岩になって対抗する傾向があると思います。

黒船から始まる明治維新も攘夷熱から始まってますからね。明治になって大転換の後、西洋の技術を取り入れてますよね。利を悟るのが早く、実利本位で改革できる日本人のエラさかもしれませんね。

> 私を含む自由主義者は、自分の労働力や時間という「自分の資源」をどう使うかについて、他人や国の介入を許さないのであって、有害物質を川に流すといった、「共有の資源」を毀損すること(フリーライド)を奨励しているわけではありません。

本文に書いてきましたが、自分の労働力や時間という「自分の資源」を自由に行使した結果、他人の時間と労働力を無駄遣いすることになるんですよね。何でも自由だけでは乗り切れないと思いますよ。僕も自由の価値を軽視しているわけではありませんが、自由もまた価値観の押しつけだということは分かっていただけましたでしょうか。

> 最後になって突然、『自由主義』を狂信的な『自由至上主義』にはっきりとすりかえるなんて、明らかにやり方として問題があるのでは?
3パラグラフ目で既に使っています。自分の意見と違う意見でも我慢して読んでくださいね。

匿名 さんのコメント...

>>最後になって突然、『自由主義』を狂信的な『自由至上主義』にはっきりとすりかえるなんて、明らかにやり方として問題があるのでは?
3パラグラフ目で既に使っています。自分の意見と違う意見でも我慢して読んでくださいね。


3パラグラフ目というのは、一連の投稿のうちの最初のエントリにおける3パラグラフ目のことですか?そういうものは見当たりませんが。なんだかケンカ腰な言い回しですが、ご自身で書かれたものを最初から冷静になって読まれてみては?

こちらが気に障るようなことを言ったというのであればはっきりとご指摘ください。

Madeleine Sophie さんのコメント...

すみません。匿名のコメントだったので良く読まずに書かれているのかと勘違いしました。1から4までは日本がフランスの様に働くようになるまでの戦略を提案しています。また、このエントリ(6)はmojixさんのエントリに対する返答ですので、mojixさんの対象とされていた自由主義について書いています。なので3パラグラフ目は、このエントリの3パラグラフ目です。

> 最後になって突然、『自由主義』を狂信的な『自由至上主義』にはっきりとすりかえるなんて、明らかにやり方として問題があるのでは?

自由主義と言い換えていただいてもかまいませんよ。至上主義は説明のための方便です。引用でも反自由は"パターナリズム"や”悪い人間が権力”と呼ばれているので。

> 結局、『怠け者同盟』という奇抜な呼び名以外に何か新しい発明はありましたか?
面白い名前があれば教えてください。

> ナイキなどのグローバル企業が起こした問題は、随分前にSweatshop問題としてPaul Krugmanなどの経済学者を巻き込んだ論争にもなりましたよね。それ以外にも、近代化の速度を制御して、伝統文化を守りながら、ゆったりとした幸福な生活を目指す辺境の小国の話とかもありますよね。

これは、ちょっと分かりません。本文とは関係ないのでコメントを省略させてください。

>結局のところ、古くからある話題に革命やイデオロギー闘争とか覇権とか同盟とかの装飾を施したというだけの話ですか?

受け取り方は読者の自由です。どのエントリのどの点がそのように感じたのか、ぜひ時間のある時に教えてください。

Shin さんのコメント...

私自身は「怠け者同盟」待望論者ですが、mojix氏のようなリバタリアニズム(自由至上主義)は、「消極的自由」の尊重という一貫した価値観に基づいて、既に理念として確立されていると思います(個人的に「共有地の悲劇」問題に対するリバタリアンの回答には納得しませんが)。例えば、
>自由に働けるとあれば、同僚が正月とヴァカンスを取らない「自由」を持ちます。出世競争で負けたくなければ、自分も働くしか無いでしょう。また、ライバル点が同僚が正月とヴァカンスを取らない「自由」を持てば、自社の社員が路頭に迷わないためにも、対抗して正月とヴァカンスに働くことになります。つまり全員がエスカレートした競争に巻き込まれていきます。こう考えていくと以下の引用にあるように、誰かの「働く自由」が誰かの「怠ける自由」を犯していることが分かります。
という課題には、「負の所得税」という形で「怠ける自由」と「怠け者の生存」を尊重する、というのが一般的なリバタリアンの回答でしょう。この方向性は「怠け者」を目指す場合にneet-man氏の言うような「負ける覚悟」を要求するわけですが、リバタリアニズムは「消極的自由」の尊重であって、必ずしも「積極的自由」(あるいは権利)を擁護しない論理なので筋は通っているとおもいます。

また、日本の働き過ぎ社会がリバタリアニズムの論理で動いているかというと真逆で、個人的な所感では先進国中でリバタリアニズムの影響が最も少ない社会は日本なのではないか、と感じています。日本社会の姿をあえて思想で括るなら、最も近いのはコミュニタリアニズムではないかと思います。社会民主主義的な「怠け者同盟」の理念を解説するために「働き過ぎ社会」の欠陥を例示するのは、判りやすい方法だと思いますが、リバタリアニズムでもなんでもない「働き過ぎ社会」の欠陥についてリバタリアン的な考えに基づくエントリー(私はmojix氏をそう捉えました)を引き合いに出すのは説得力が薄いと感じます。(今回少々コメント欄が少々荒れ気味なのはこの辺のロジックへの違和感の問題もあるのかも)
ただ、例えば
>それでも、あくまで「働きすぎる自由」を守りたいならば、対抗する理念を確立するべきでしょう。
というように「自由至上主義」の語句を別の「日本的な何か」に書き換えるなら、本エントリーの問題意識自体は正論だと思います。
まあ、(特に文化多元的主義的立場の)コミュニタリアニズムは、理念として共同体外部への説得を放棄していますし(ほっといてくれ!路線ですね)、他者の論理を理解する必要は認めても、人類普遍の原理の存在は認めませんので、それはそれで思想としての筋は通っているのですが。

匿名 さんのコメント...

>すみません。匿名のコメントだったので良く読まずに書かれているのかと勘違いしました。

私の発言も一方的でかなり厭味なやり方だったことは謝ります。ちなみに私は前回のエントリでしつこく絡んでる「匿名」です。


Sweatshop問題は大まかに言えば、発展途上国にある工場の労働環境などについての問題です。発展途上国における貧困の現実と、「搾取工場」ともいうべき大企業の工場がもたらす経済効果とを考えた上で賛否両論があったと思います。一連の議論と関係ないですか?また、ブータンが取った政策と今後の行く末は社会のあり方を考える上で多少は関係あると思います。

これまでの議論はこういった既に何度も議論されてきたものを踏まえてのものですか?それとも単なる思い付きに近いものですか?


私はこれまでどちらかというと、フランスは世界の多極化や多様な価値観の維持というものを根本的な戦略としてきたという印象をもっていました。違うんですか?

Madeleine Sophie さんのコメント...

shinさん、コメントありがとうございます。

自由主義の論理は分かりますよ。なんと言っても現在主流の考え方ですからね。論理も100%過不足なく通っています。人類がこの200年ほど尊重してきたものですからね。それでも長い歴史の中でいろいろな常識が後世では野蛮だと言われたりするのを見ると、自由を覆す理論が出てこない方が不自然ですよね。あくまで次の理念の形を探っている段階です。それでも、フランス人の中では徐々に明らかになり始めている概念だと思って紹介しています。

日本がリバタリアニズムじゃないかも知れないというのは納得です。反論はそこから来ているということも考えられますね。僕としては、働くのが「個人の自由」であるからこそ、コミュニタリアニズムによって労働を強制する圧力が生まれても、それを正すことができないと考えています。つまり、働いている間は、他人はもとより本人も、自分の自由意志で働いているのか、他人に強制される雰囲気に飲まれているのか区別がつかないんですよね。労働を制限すれば、自由意志で働いている人と強制される雰囲気の中で働かせられている人の両方を制限することになります。それで良いと思います。司法の場でも、真犯人と冤罪の区別がつかなければ、推定無罪になりますよね。それと一緒で、自由意志で労働していても、強制で労働させられていても区別がつかないから、どちらも労働を制限しようとも言えるわけです。←これはいつか別のエントリに入れる予定です。

コメントは荒れ気味というより、ブログ始まって以来一番議論が盛り上がっていると肯定的に捉えてます。反響が無いより断然うれしいですよ。

Madeleine Sophie さんのコメント...

> 私の発言も一方的でかなり厭味なやり方だったことは謝ります。ちなみに私は前回のエントリでしつこく絡んでる「匿名」です。

なるほど。両者冷静になったところで仕切り直しましょう。こちらのエントリでもよろしくお願いします。

> Sweatshop問題は大まかに言えば、発展途上国にある工場の労働環境などについての問題です。発展途上国における貧困の現実と、「搾取工場」ともいうべき大企業の工場がもたらす経済効果とを考えた上で賛否両論があったと思います。一連の議論と関係ないですか?また、ブータンが取った政策と今後の行く末は社会のあり方を考える上で多少は関係あると思います。

フランスの考えている例だと、「搾取工場」も「ブータン」もちょっと極端すぎるんですよね。どちらも誤解を生みやすい例だと思います。フランスは自由を生み出した国として、自由を尊重しています。それでも、それよりもっと良いものを生み出そうと言う気概があります。状況を冷静に読むフランス人はグローバリズムの拒否といった極端な行動には出ないと思います。

> これまでの議論はこういった既に何度も議論されてきたものを踏まえてのものですか?それとも単なる思い付きに近いものですか?

僕がこれを書いたのは「フランスの日々: 競争の抑制によるソシアリスムの実現」が初めてです。このシリーズはその後の自分の思考をまとめています。フランスにいる2年間のうちにフランス人と議論してきた内容と、それに基づく僕の分析が含まれています。

> 私はこれまでどちらかというと、フランスは世界の多極化や多様な価値観の維持というものを根本的な戦略としてきたという印象をもっていました。違うんですか?

フランスはどちらかというと自らの価値観を世界に問う国です。「怠け者同盟の社会と働き者の社会の間の競争の中のフランス」にあるように、自らの価値観を世界に放射する国です。

フランスが言う多様性は、文化的多様性です。映画、音楽を含むアメリカ文化がグローバリズムによって画一的になることを危惧しています。同じ放射型外交のアメリカからフランスを守る方便としての意味もあります。自分が放射する場合には価値観の統一を求め、自分が放射を受ける場合には多様性を主張すると言う二枚舌と言えるかもしれません。フランスはアメリカとは同じ放射型に属するので守り方もよくわかっているんでしょう。だからフランスの「文化的多様性」の議論には、鋭さがありますよね。

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