2009年3月13日

フランスに来てもフランス語をしゃべれるようにならない


Trouville, France
日本に帰ってフランス語をしゃべっているというと、「1年半ぐらいフランスに住むとフランス語がしゃべれるようになるんだね」と言われたのですが、そんなことはもちろんありません。フランス語をなんとかしゃべれているのは、毎日コツコツと勉強しているからです。そして、そういった勉強は、「フランス語の勉強の仕方(まとめ)」にも書いてありますが、日本にいても不自由なくできることばかりです。

[書評] 外国語上達法には外国語を学ぶために重要な物は、「第一にいい教科書、第二にいい教師で、第三にいい辞書」と述べられていていますが、言語学者でない普通の人には、学習するモチベーションが断トツで重要です。モチベーションの重要さと比べれば、上で挙げられている重要な物は誤差のように小さなことだと思います。要はモチベーションがあって、毎日、単語を覚えて、文法を勉強して、本を読み、ipodを聞いて、発音する練習すれば、程度の差はあれ言語は上達します。これは、日本にいてもその言語が話されている外国に住んでいてもほとんど変わらないはずです。

その言語が話されている外国に住むことには、言語の上達に決定的に重要な具体的なメリットはほとんどありません。つまり、外国に住めばその国の言語をしゃべれるようになるというのは、幻想や迷信に近いことだと言えます(その言語を聞く機会と、口に出す機会は増えますが、それは工夫次第でどこにいても作れる機会です)。それにも関わらず、外国に住めばその国の言語の能力が伸びるような気がするのは、毎日勉強するモチベーションを補充できるからにすぎないです。「もっとしゃべれるようになりたい、もっと聞けるようになりたい、もっと単語量が必要だ」と、日々痛感できるところが外国に住むメリットで、それ以上のメリットはそれほどないです。言語の習得に最も必要なモチベーションを補強できるのはこの上ない大きなメリットなのですが、モチベーションとは要は気の持ちようなので、逆に何処にいようとも、モチベーションの維持さえ出来れば、言語は上達するということです。

下のリンクではアメリカに住めば、英語が上達すると思っていた筆者が、それは間違いだと気づいた様子が書かれているのは興味深かったです。
英語の世紀に生きる苦悩:江島健太郎 / Kenn's Clairvoyance - CNET Japan
いよいよ永住権でも申請してアメリカに根を下ろそうかと考えている今でも、英語ペラペラの見通しについては年々悲観的になっていく。アメリカに暮らすだけ で英語がグングン上達するに違いないという当初の無邪気な期待はしゅるしゅるとしぼみ、このまま永遠に英語ペラペラの日はこないのではないか、というどす 黒い不安ばかりが鬱積されていく。
ジョークや反論など、程よい間と程よいタイミングで繰り出さなければならないフレーズは、会話の文脈を外してたらどうしようと考えている間に、1テンポ遅れてタイミングを逃してしまうとか、あるあるって感じます。
そのようなことを一番実感するのは、パーティに招待されたときだ。とくに若くて頭のいい子たちが集まるスノッブなパーティはことさら苦痛だ。このあ たりのアメリカ人は英語の不自由な外国人に慣れているから、真剣に話せばじっくり聞こうとしてはくれるのだけれど、自分たちが話すときには暗喩的なレト リックを多用しながらマシンガンのように言葉を発し、どんどん話題を切り替えていくから、聞いてるこっちは今何について言及しているのかよくわからなくな る。そうなると、気の利いたジョークのひとつでも挟もうにも、文脈がよく見えてないのでハズしてたらどうしよう、などとモタモタしているうちに口に出すタ イミングを逃してしまう。そうやって、ああ、相手の心に刺さるようなことが言えていないな、自分の存在を認定してもらえてないな、というのがすぐにわかっ てしまう。ハイエクやアリストテレスの言ったことを引用しようにも、彼らの名前をどう発音するのかすらわからない。
フランスの場合は、「フランス語を少ししゃべれるだけでエラいだろう。英語のレベルは同じぐらいだ。君は日本語しゃべれないだろう」と心の中で開き直ったり、心の中で溜飲を下げたりできる(?)ので少し気が楽かもしれません。そのせいか僕の場合、パーティ招待された場合は苦痛ではなくて、ひたすら楽しみなのですが。言語の勉強にもなるので、予定が空いてる限り必ず参加します。

関連:フランス語の勉強の仕方(まとめ)

9 comments:

花園 祐 さんのコメント...

 私は日本で基礎を学んでから中国に留学しましたが、無勉強で一から中国語を勉強するために留学に来た人間は、Sophieさんの言う通りにモチベーションの差が成長にものすごい差を生んでいましたね。
 特に成長が著しかった友人は、日本で調理師学校を出てから中華料理屋で働き、そこで出会った中国人留学生の彼女が出来たことがきっかけで留学してきたので、女性が絡んでいるだけあって凄まじい成長ぶりでした。ただ問題だったのは、留学先の北京で別の中国人の彼女を作っていたことでしたが。

ポタトマ さんのコメント...

こんにちは、ポタトマです。
フランスに住んでいても、フランス語があまり上達しない例の一人です。
毎日嫌でもフランス語が聞こえてくるので、「聞く耳」が出来てきたとは思いますが、それはモチベーションさえ高ければ、確かに日本でも出来ることですね。
日本で入門・初級程度のフランス語を勉強していましたが、実際にフランスでフランス人だけの中で生活するには、そのレベルではまったく、お話になりません。
フランスに来る前に、日本で仏検2,3級程度の語学力を付けておくべきでした。
でも、後の祭り。まだまだフランス人の集まりは苦痛です。

フランス人の集まりを楽しむ秘訣があったら是非教えてください。(^_^)

Madeleine Sophie さんのコメント...

花園さん、
恋人が習得中の言語をしゃべるのが上達が早いと言いますよね。僕もフランス人の彼女作ればというアドバイスをもらったりしましたが、そのアドバイスはどうかと思いますけどね。それもモチベーションが作用しているみたいですね。

ポタトマさん、
パーティでのフランス語での会話は、最初は参加することすらも難しかったりしますからね。会話に参加するこつは、自分から会話を振ることですかね。そうすると文脈を外す心配もないですからね。好きなように好きな話題でしゃべれますよね。

あとは、会話では空気を読みすぎない方がいいように感じます。文脈も少しぐらい外すぐらいでもちょうどいいと思いますよ。例えば、みんながAとBについて話していて、どちらかがすごく褒められていて、自分にはどちらが褒められているか分からなくても、気にせず自分の意見を言えばいいと思います。日本だとみんながAが好きなのに自分はAが嫌いと言いにくかったりしますが、フランス人は自分の意見ははっきり言っても誰も気にしないので。

あとは、集まったときに風変わりな食べ物や、風変わりな文化に興味を持って質問したりすることですかね。僕が、パーティを好きなのは、そこでいろいろなことが知れるからなような気がしています。

あと、言語はいつ初めても遅すぎることはないと思いますよ。うちの母親は50になってゼロから中国語を始めましたが結構楽しんでいるみたいですよ。フランス語をうまくしゃべれなくても、言語習得に努力しているという事実が、フランス人との距離を縮めたりするので一生懸命にやってることをアピールした方がいいと思います。下のエントリーも参考にしてくださいね。

フランスの日々: 留学するのにフランス語は必要か

ポタトマ さんのコメント...

真摯にお答えいただきありがとうございます。(^^)とても為になりました。確かに、フランス人には意見をはっきり言ったほうが、後味がすっきりしますね。お書きになっている、「フランス語の勉強の仕方」のシリーズも少しずつ読ませていただいています。1年でそんなに上達されて、素晴らしいです!見習って私も頑張ります。

Madeleine Sophie さんのコメント...

最初はあまりのフランス語の複雑さに落ち込んだりすることもありますが、少しずつでも毎日やれば、日常会話程度までは割とすぐに到達できた気がします。そのあとは、このエントリーのリンクのように果てしない道のりがあるんでしょうけどね...

ゆみこ さんのコメント...

はじめまして。
ありがとう!勇気をもらいました!

私は日本の東京で仕事をしている普通の社会人です。
フランスなんてちっともさっぱり興味がなかったのですが、ちょっとしたきっかけで、ものすごくフランスに行きたいとおもうようになりました。3日前のことです。

今は超繁忙期なので、仕事が落ち着く秋か冬に休暇をとってフランスへ行くと決めました。

目的達成にはフランス語を習得せねば。

良いフランス語の勉強法を探すべく
検索していて、あなたのブログに当たりました。

明日、さっそくお勧めの勉強法、仏検3・4級必須単語集を買って実践してみます。

半年後にはフランス語のミーティングに参加していた。という文章にたいへん勇気をもらいました!どうもありがとう!

Madeleine Sophie さんのコメント...

ゆみこさん、

秋か冬までなら、かなりがんばれば2000か3000単語はマスターできそうですね。旅行で使う予定だと会話に慣れる必要があるので、フランス人の会話が入った再生機を持ち歩いてこまめに聞いておくのもオススメですよ。

フランス語を聞く時間と勉強する時間を合わせて、毎日2時間ぐらいを目安にやれば、冬までには日常会話は出来るはずです。あとはどうやってモチベーションを落とさないようにするかが、難しいのですが...こればっかりは自分でいい方法を見つけられることを願います。

いるめん さんのコメント...

こんにちは。
いつも楽しく拝見させてもらってます。ブログの記事にコメントさせてもらうのは初めてです◎

今大学の交換留学で台湾に来ています。

一年の留学で今年の夏にもう帰国なのですが正直台湾に来てから中国語が上達したと感じるになりました。というのも行く前にほとんど知識がなかった上に私の性格がズボラで環境に影響されやすいので…。笑

それに加えて最近はスペイン語かフランス語かとても勉強したくなって参りました。勿論どれぐらいまで自分がその言語を極めたいかによると思うんですけれど、欧州に対する憧れが大変強いのでフランス語にも非常に興味があります。

モチベーションをキープするのが…一番大変ですよね。

モチベーションがある時点で外国語の勉強の半分は達成したと言っても過言ではない

と前に読んだ本に書いてありました。

Madeleine Sophie さんのコメント...

いるめんさん、はじめまして。

中国語のあとはフランス語かスペイン語ですか。すごく言語に対する学習心が強いみたいですね。ぼくもフランス語が一段落したら、中国語の勉強を再会したいなと思っているんですよね(高校と大学で3年間勉強していました)。

フランス語も初学から6ヶ月で日常会話レベルに達したので、中国語も全力を出せば1年ぐらいで形になるような気がしているんですよね。ちょっと楽観的かもしれませんが。

人生あと50年ぐらいあると思うので、いつかは役に立つ気がしているんですよね。あとはモチベーションの維持ですね。お互いがんばりましょう〜。

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