2009年2月26日

[書評] 人生は勉強より「世渡り力」だ!

人生は勉強より「世渡り力」だ! (青春新書インテリジェンス)
「痛くない注射針」で有名な岡野氏の江戸っ子調の語りの本です。「世渡り上手」というと日本語ではどちらかというとネガティブなイメージなので、タイトルは良いイメージにはなりにくいかもしれませんが、正論を語っていると感じました。自分が正しいと思っていることを自信を持って貫き通している著者の意気込みが伝わってきます。世渡り力を推奨する一方、技術を軽視しているわけではありません。最初のページにこう断ってあります。
たしかに技術、腕は大切だし、それがなきゃ話にならないよ。でも、それと同じぐらい大事だと自信を持って言えるのが「世渡り力」なんだ。どんなにいい腕を持ってても、それだけじゃダメ。「世渡り力」がなきゃ、仕事も人生もゼッタイうまくいかないよ。(p.3)


著者は隠し立てをしないで、何でも素直に語る性格なようで、凡人だったら言いにくいようなきわどい処世術も語ってくれているのが、面白いです。人を見下してくる相手や、嫉妬や皮肉屋をやり返す方法などは、普通の日本人は語るのが難しいような内容だと思います。なんでもオープンに語れる著者が語ってくれるのは、感謝したいです。例えば、「商売の一番のポイントは他人を儲けさせることだって、俺は思うね。(p.22)」というのは、普通の言い方ですが、「お金を惜しんでたんじゃ、情報収集だって出来ない相談だ(p.22)」と、接待についても以下のように率直にわかりやすく、説明されます。
「今日は楽しかったな。岡野のおやじ、つきあうとおもしろいじゃないか。」そう感じてもらえれば十分なんだよ。釣りでいうコマセ(撒き餌)を、「こんだけ撒いて鯛が三枚上がらなきゃ、元は取れないな」なんて考えて撒くやつがいるかい?釣果は二の次、その場は損得抜きで、剛毅にパッと撒いてこそのコマセだろ。(p.23-24)
接待をコマセに例えるあたりが、率直すぎる気もしますが、自分の知識を惜しむこと無く語っていると感じます。また、自分をとんでもなくツイている人間だと信じているようで、以下のように書かれています。
不思議なことに、ツキっていうのは周囲の人にも波及するんだよ。実際、俺と縁が切れた会社も人間も、たいがいダメになってる。反対に長くつきあっている会社や人間には、いいことが起きてるんだ。そんな俺自身の経験からいうんだけど、絶対、ついている人間とつきあわなきゃダメだな。(p.43)
その理由は、運がいい人間は見えないところでそれだけの事をしているからで、そこから学べる事があるからだそうです。確かに納得ですが、「俺と縁が切れた会社も人間」といわれた側からすると、たまったもんではないかもしれません。これだけ率直に語ってくれた事には感謝しきりですが、赤裸々に語りすぎて彼の周りに敵が増えないか心配になってしまいます。こう思ってしまうあたりが、こういった率直な本が出にくい原因で、この本の価値になるのかもしれません。
人生は勉強より「世渡り力」だ! (青春新書インテリジェンス)
岡野 雅行 (著)
1章 “おいしい情報”を手に入れる「世渡り力」
2章 人を引き寄せ、動かす「世渡り力」
3章 自己演出で評価を上げる「世渡り力」
4章 仕事の“敵”から身を守る「世渡り力」
5章 遊びから最高のアイデアを生むコツ
6章 どこでも生きていける「腕」の鍛え方
「痛くない注射針」で有名な世界一の職人は「人・情報のマネジメントをする“世渡り力”がなきゃダメ」と説く。将来性ある技術を見極めるために大企業から情報を取る方法など、スキルを最大限生かす「世渡り力」の鍛え方を初公開。

2 comments:

サカタ さんのコメント...

 これから就職する身なので、仕事の敵から身を守る術には興味を抱きますねぇ。

Madeleine Sophie さんのコメント...

すぐ読める本なので、手に取ってみるといいかもしれませんね。同じ生き方するのは大変そうですが、役に立つ点もあると思いますよ。

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