2008年12月30日

一時帰国中の雑感「なんとなく悲観的」


Paris, France
年末年始は、一年ぶりに帰国しています。現在帰国して1週間がたちました。帰国した当初の第一感触を忘れないうちに書き留めておこうと思います。まず、家族が用意してくれた寿司を食べながら見たテレビのトップニュースがすごく暗かったのに気づきました。第一のニュースが神奈川県の警官が二人組みに拳銃を奪われた事件。第二の事件は北海道のコンビニで菓子パンに待ち針が混入された事件。3つ目は世田谷一家殺人事件の続報でした。

菓子パンに待ち針が混入された事件では、リポーターがターゲットとなった菓子パンを引き裂いて中身を見せていました。弟はお気に入りの菓子パンだったらしく、もしも自分だったらと想像したでしょう。僕も口の中に待ち針が刺さった様子を想像して、血の味を感じた気がしました。

でもよく考えたら、何万とあるコンビニの中の、しかも北海道で起きた事件は多くの人にとってトップニュースにするほど関連あるものではありません。多くの人にとって、菓子パンを見たときに思い出すぐらいの、なんとなくイヤな感じがするニュースでしかないでしょう。例えば、これがただのいたずらではなく、派遣社員の問題や、介護疲れの問題など誰もが関係する問題が背景にあると判明したりすれば、違ってくるとは思いますが。僕がこのニュースを見たときは視聴者がその背景を想像で補うしかないような漠然とイヤなニュースとしか感じませんでした。

3つのトップニュースが終わってから、閣僚会議で麻生首相がテレビに映りました。フランスでは大統領が最初に映ることが多いのでなんとなく違和感を感じました。それからトップニュースに三つの暗い話題を持ってくることによる視聴者にあたえる悲観的なイメージを想像しました。日本に充満する悲観的空気に追従するためにニュースで暗い話題を放送しているのか、暗い話題が日本の悲観的な空気を生み出しているのか、なかなか興味深いと思います。

次に、自動車会社に勤める友人は不景気を嘆いていました。確かに今年の9月以来、自動車が売れづらい現状は聞いているために、妥当だとは思います。しかし考えてみれば、90年にバブルがはじけて以来20年近くずっと不況といわれている現状を考えると、不況といわれている状況が通常状態だと言うことも可能なはずです。さらに、彼はこんな状況では最低限度の生活も脅かされると嘆いていました。しかし、彼は今年11月にスポーツワゴンの新車を買っているのです。しかも、カーナビやかっこいい追加装備も装着していました。日本とフランス両方あわせた僕の周りの同年代の友人すべてをあわせても一番リッチな生活をしているといっても過言ではありません。少し悲観的になりすぎている感想を持ちました。

日本全体が余分に悲観的になっている気がします。現在感じている悲観的な空気や、将来の不安が本当に妥当なものなのか、もう少し楽観的な観点から考えてみることをお勧めします。

6 comments:

花園 祐 さんのコメント...

 気分が落ち込んでいる人には明るい話より、暗い話の方が気休めになるという話を聞いたことがあります。私自身もちょっと落ち込んでいるときには、喜劇よりも悲劇を見た方がなんとなく気が安らぐ気はするのですが、それは個人レベルで社会レベルのニュースでこうもバンバンと暗いニュースばかりだと、別に落ち込んでない人も暗くなってきそうですね。

Madeleine Sophie さんのコメント...

日本人はなぜ悲観論が好きか」でも書きましたが、悲観的な見方は、上昇志向の自己批判の精神と言うこともできますが、あまりに悲観的な気分は冷静な判断を阻害してしまうと考えています。何事もほどほどがいいのですが、日本滞在で目についたニュースは悲観的なものが多かった印象を持ちました。常に楽観的な見方など、もう一方の見方を忘れないようにしたいものですね。

匿名 さんのコメント...

「なぜ経済分析にネガティブなものが多いかというと、仮にポジティな分析をして予想をはずした場合、実体経済の悪化による不満に乗じてそのことを叩かれやすいが、ネガティブな分析の場合は例え予想が外れても実体経済が好転してるぶんお祭りムードとなりあまり叩かれない。だから経済評論家の言うことはいきおいネガティブになりがちである。」
ってどっかの経済評論家が言ってましたよ。

まぁこれに限らず物事には裏がつきものですから、何事も一歩引いた目で見ることが大事ですよね。

Madeleine Sophie さんのコメント...

どっかの経済評論家は、鋭いですね。確かにその通りの効果が期待できそうですね。それと同時に、批評家の予想を鵜呑みにせず、悲観的/楽観的のバランスのとれた見方をしてみることが重要そうですね。

o-ya さんのコメント...

自分のブログを訪れた方の検索結果をたどって、こちらにたどりつきました。
私は今に限らず、日本人は昔から悲観的、というか自国に対して非常に批判的で、世界でも珍しいと思っています。
下記で紹介した世界各国比較調査見られました? http://d.hatena.ne.jp/o-ya/20090211
ブログでは、本当は「悲観的な日本人v.楽観的なアメリカ人」というのを書きたかったのですが、さすがのアメリカ人も最近は悲観的になっています。アメリカのメディアも、最近は、「これでもか」というくらい不況・失業・今後の見通しの暗さを強調しています。(ローカル局のニュースは以前から、殺人・強盗・虐待などの話ばかりで暗いです。)
どこの国も、メディアは一番売れるものを売るという姿勢ですので、今は暗い話が売れるのでしょうか。というか、近年は日米ともにメディアのセンセーショナリズムがすごいですね。

Madeleine Sophie さんのコメント...

o-yaさん、

各国調査は面白いですね。悲観的なグループにフランスと日本の両方が入っているのも面白かったです。ありがとうございます。

アメリカのメディアも悲観的になっているそうですが、統計ではUSAはやっぱり楽観的なグループに入っているのですね。危機の元凶なのにさすがというべきですかね。精神的なモノなので経済的なダメージの大きさだけじゃないのですよね。。

http://www.nrc.co.jp/report/pdf/090123.pdf
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悲観的グループ: フランス、ドイツ、アイスランド、日本、イギリス
楽観的グループ:ブラジル、中国、インド、スイス、アメリカ

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