2008年9月12日

外国の日本人観は日本人自身が作り出しているかも知れない


Mont-Saint-Michel, France
仏語本「Le Japon 固定観念」の導入部分で、「日本とその鏡」とタイトルづけられた章について紹介します。
日本人はまさしく固定観念とコミュニケーションの二つの分野でチャンピオンである、内容と同様に容器も:マルチディア、翻訳、本、映画、漫画、カメラ、テープレコーダー、ビデオデッキ、DVD、その他の媒体、その他の発明。同じ論理で、日本人はレッテル貼りの達人である。彼らは分類し、番号付け、整理することが大好きである。時計の分野(つまり理想的な時間空間の番号付け)でのランキング首位においてスイスを追い落としたのは、偶然ではない。
Les Japonais sont précisément les champions dans les deux domaines, les idées reçues et la communication, tant dans le contenu que dans le contenant: multimédia, traductions, livres, films, manga, appareils photo, magnétophones, magnétoscopes, DVD, autres vecteurs et autres inventions. Dans la même logique, ce sont des experts de l'étiquetage. Ils adorent classer, numéroter, ranger. Ce n'est pas un hasard s'ils ont détrôné les Helvètes au Premier rang de l'horlogerie, numérotation idéale de l'espace-tamps! (P.9)
日本人は整理整頓がきちんとしていると言うのは、フランス人に言われたことがありました。僕自身はこの特徴から大きく外れているので不思議がられたのですが... この文章では、精密機械である時計の分野での成功を例にとって日本人の整理付けの理由付けをしています。時計作りが上手いから整理も上手いと言う論理は無理がある気がしますが、そのようなイメージを持つ外国人がいるのもなんとなく分かる気がします。

次の文章はもっと、思い当たる節があります。
ステレオタイプの専門家、日本人は彼ら自身のステレオタイプを数多く作り出す。「ニッポロジー」(ニホンジンロン)、文字通りの「日本らしさ概論」は強力なコントラスト(対照)と単純化でもって、一般的に西洋や、中国などの他の国から日本を区別する全てについての日本の個性を解剖する。
Spécialistes des stéréotypes, les Japonais en produisent beaucoup sur eux-mêmes. Les « nippologies » (Nihonjinron), véritable « traités de japonité », dissèquent avec force contrastes et simplifications l'idiosyncrasie nippone: tout ce qui peut distinguer le Japon des autres pays, en général l'Occident, parfois la Chine. (P.10)
日本人は日本人論が好き。これは思い当たります。そもそも、仏語本「Le Japon 固定観念」の各エントリをまとめている行為がそれを証明しています。日本を他の国から区別する要素を知りたいという動機に加えて、フランス人の日本人観についても知りたいという動機があります。この本を買った時にフランス人と一緒にいたのですが、この本は日本を知らない人の入門書だから、知っている人が読んでも面白くないよと言っていました。彼の予想と反し、僕にとってはこの本は興味深いです。
単に日本人論だけに帰す訳ではなく風刺的な帰結でもある、この区別の崇拝の主要な結果、それは、日本人自身によって運搬され、外国の観察者によって溶け込こんだ「他の人々とは本当に違う日本人」というイメージである。
La principale conséquence de ce culte de la différenciation, qui ne date pas des seuls Nohonjinron bien que celles-ci en soient l'aboutissement caricatural, c'est l'image des « Japonais vraiment différents des autres peuples », véhiculée par les Japonais eux-mêmes et intégrée par les observateurs étrangers. (P.11)
日本は他の国と大きく違うというイメージはフランスでも一般的だと思いますが、そのイメージは日本人自身が作り出して運搬している面があると見抜いています。日本人が外国でどのように見られているか紹介される記事はよく見かけますが(例えばこのエントリとか)、実は日本人が作り出した日本人論が外国に波及する場合があるということです。外国での日本人観は、他でもない日本人自身が作り出したものであるかも知れないということです。

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