2008年9月4日

麻生太郎はフランスでどのように報道されているか (2/2)


Versailles, France
麻生太郎はフランスでどのように報道されているか (1/2)」の続きのエントリです。前回のエントリで、麻生氏について書かれている3つのページを紹介しました(Le Point紙、Le Figaro紙、Aujourd'hui le Japon紙)。このエントリでは最も批判的な印象のあったAujourd'hui le Japon紙で麻生氏について書かれたページを翻訳していきます。「Aujourd'hui」とはフランス語で「今日」を意味する単語です。

  • 麻生太郎氏、決然とした国粋主義者マンガ・ファン、日本を手中に(Aujourd'hui le Japon
    Taro Aso, un fan de mangas nationaliste résolu à prendre le Japon en main
著者の見方がよく現れていると感じる文章だけ抜き出します。出自や経歴などの基本情報は除いています。
過去のタイトルホルダー安倍晋三(2006.9 - 2007.9)のような国粋主義者、しかしもっと魅惑的でもっとタフ、麻生氏は決定者の素質を持つ。
Nationaliste comme l'ancien tenant du titre Shinzo Abe (septembre 2006-septembre 2007), mais plus aguicheur et aguerri que lui, M. Aso a le profil d'un décideur.
麻生太郎はフランスでどのように報道されているか (1/2)」でも出ていた「国粋主義者(Nationaliste)」が出ています。褒め言葉ではないでしょう。
右派から左派までが読む日本の漫画、初代”マンガ国際賞”の創設者、彼はまた、世界に波及させることを願い、外交の道具として利用することを目論む、"ポップカルチャー"(マンガ、流行、ビデオゲーム、Jポップ、etc)を褒めそやすことで、若者の好意を獲得している。
Créateur du premier "Prix international du manga", la bande dessinée japonaise qui se lit de droite à gauche, il s'est aussi gagné les faveurs des jeunes en vantant régulièrement la "culture populaire" (manga, mode, jeux vidéo, J-Pop, la musique pop japonaise, etc.) qu'il souhaite voir déferler sur le monde et dont il entend faire un outil diplomatique.
まあ、これは日本の新聞でも言われていることかも知れませんが、「マンガを外交の道具として利用する」と言うのは、フランス文化を世界に波及させることがフランスの利益だと疑わないフランスの新聞らしいような気がします(参照:放射型外交のフランスと妥協型外交の日本)。
外交では”タカ派”、麻生氏はアジアにおける日本の優越の支持者で、中国やライバルに対して譲歩なしであることを誇示している。
"Faucon" en politique étrangère, M. Aso est partisan d'une prédominance du Japon en Asie et s'affiche sans concession à l'égard de la Chine voisine et rivale.
外交的タカ派というのは言われることですね。「アジアにおける日本の優越の支持者」は少し引っかかります。「ヨーロッパにおけるフランス優越の支持者」というのが受け入れ難いのと同じです。
世界の情勢に影響を与える傲慢な一つの日本の熱心な守護者、麻生太郎は厚かましくも挑発的な名文句を吐いた。彼は自身の国を”単一民族、単一言語、単一文化”の国家だと記述した。
Ardent défenseur d'un Japon fier qui doit peser dans les affaires du monde, Taro Aso ose des formules provocatrices. Il a ainsi décrit son pays comme la nation "d'une seule race, d'une seule langue, d'une seule culture".
フランスではレイシスト(民族差別主義者)は犯罪者を見るように見られます。他民族、多文化を許容しない態度は政治家としてはあってはならないことだと考えられます。間違いなくこの文章は、フランス人に最悪な印象を与えるはずです。続いて「麻生太郎はフランスでどのように報道されているか (1/2)」にも出ていた朝鮮の創始改名に対する発言の問題にも触れられています。

かなり批判的な内容でしたが、最後は彼がクレー射撃日本代表選手だったことに触れて、チクッっとするユーモアで締められています。
政治を志す前は、彼は1976年のオリンピック日本代表であった....ハトを打つ競技の。
Avant de se lancer dans la politique, il avait représenté le Japon aux Jeux olympiques de Montréal en 1976, dans la discipline de... tir aux pigeons.

2 comments:

ちびた さんのコメント...

こんにちは

確かにフランス人が日本の1政党の選挙に興味を示すことはなさそうですね。

そんな中で麻生氏のフランスでの報道記事を紹介していただけるのは大変興味深いです。

麻生氏については全体的にあまりよい扱いはうけていないようですが、この先まだまだ2転3転ありそうなので、どうなりかわかりませんね。

貴重な情報、ありがとうございます!

Madeleine Sophie さんのコメント...

ちびたさん、選挙まではまだ日があるので、どうなるかは分からないですよね。麻生氏は大派閥に所属している訳ではないですからね。このエントリで紹介したサイトは日本のニュースを扱ってるのでさすがに詳しかったですが、一般のフランス人は興味ないかも知れません。

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