2008年8月26日

日本人は全てをコピーする、そして改良する(Le Japon)


Paris, France
仏語本「Le Japon 固定観念」の「日本人は全てをコピーする、そして改良する」という固定観念に関する章を読んでみました。

フランス人にはコピーというとオリジナルより劣化したものというイメージが強いそうです。それで、日本のコピーではその固定観念は通じないことを説明した後、木造建築、木造彫刻、漆器、金物、錦、陶器、文房具などの例を挙げて、以下の問いを投げかけています。
しかしなぜ日本人達は、技術をそのまま応用することに満足せず、それらをときおり大きく変更してしまうのか。
Mais pourquoi les Japonais ne se sont pas contentés d'adopter les techniques telles quelles, mais les ont modifiées, parfois grandement. (p.39)
この問いは、日本人自身でも難しいところがあるので、全てを説明することは難しいでしょう。本書でも、多数の要素が重なったものと説明されています。
  1. 日本人は初めて新しいものを見るき、全てのものに非常に興味を持つ
  2. ユーラシア大陸の東端に位置し文化の終着地となったこと
  3. 技術導入には見立て«voir comme»と呼ばれる技術の再生産ではなく再創造が行われる
  4. 要素が混ざり合い、要素は取捨選択される、古い要素もあるものは捨てられ、あるものは保存される
技術導入の例に挙げられているのは、電球の導入とインターネットの普及率の高さです。電球の方は発明からわずか5年後には工場に導入されていたそうです。
アメリカにおける電球の発明から、わずか5年の1884年の日本の紡績工場では夜間操業のために電気が導入されていた。
L'électricité gagna les usines textiles japonaises pour la fabrication en nocturne dès 1884, soit cinq ans seulement après l'invention de l'ampoule électrique aux États-Unis. (p.41)
和魂洋才についても説明されていました。和魂才の前に、和魂才という言葉があったことをこの章で初めて知りました。
明治維新(1868)の少し前に発せられた名高いスローガンである和魂才は、最近にいたるまで否定されていない精神と実践の組み合わせという日本のアプローチ要約している。このスローガンは過去において、中国の技術の導入に差し向けた和魂才の繰り返しであると確認されてた。
Le fameux slogan de wakon yôsai, «esprit japonais, technique occidentale», lancé un peu avant Meiji (1868) résume la combinaison psychologique et pratique d'une approche nippone qui ne s'est pas démentie jusqu'à nos jours. Elle confirmait le passé en faisant écho au wacon kansai, «esprit japonais, technique chinoise», qui renvoyait à l'adoption des techniques sinisé dans les temps anciens. (p.41)
結論は、日本人は革新を起こしていないという厳しいものでした。少し長いですが見てみます。
2002年、この国の研究のための予算は2%増え、ノーベル化学賞は3年連続で日本人に割り当てられた。全ての分野で見られる世の中の動きに遅れないでいる意志は、決定的に追いつくことのコンプレックスを乗り越えた。しかし、日本はそれにも関わらず、革新の楽園ではない:特に大学において鬱陶しい階級制度によって、知的で学際的なしなやかさの欠如によって、早急な技術導入にかかる大きな心配によって、研究は多くの場合、遅れている。
En 2002, les dépenses de l'État en faveur de la recherche ont augmenté de 2% et le prix Nobel de chimie est attribué à un Japonais pour la troisième année consécutive. La volonté d'être à la page, que l'on retrouve dans tous les domaines, a définitivement dépassé le complexe du rattrapage. Mais le Japon n'est pas pour autant le paradis de l'innovation: la recherche est souvent ralentie, notamment à l'université, par une hiérarchie trop pesante, un manque de souplesse intellectuelle et d'interdisciplinarité, et par un trop grand souci d'application immédiate. (P.42)
この章の文章はここで終わっています。ノーベル賞のくだりからあまり繋がっておらず、日本人が革新を起こしていないという結論の根拠となるようなものも提示されていません。もしかすると、昔から外国からの技術導入を繰り返しているというこの章で説明して来たこと全体が、結論に繋がっているのかも知れません。

僕自身、本ブログのエントリ『日本人はなぜ悲観論が好きか』で書いたように、日本人の創造性というのは認められていると感じましたが、本章で書かれているように、日本人は几帳面で冗談の通じないビジネスマンという固定観念も崩れていないことを示しています。もう一つ考えられる解釈としては、この革新というのが、アメリカで発明されたエンジンやインターネット、ドイツで発明されたエンジンの自動車、フランスで発明された人権や民主主義による国民国家、中国で発明された紙や火薬といった、人間の生活を一変させたような発明のことなのかも知れません。その点でいうと、日本人は何を挙げればいいのでしょう。カラオケやインスタントラーメン、シャープペンシルでは見劣りしてしまいますよね。

4 comments:

ちびた さんのコメント...

こんにちは

暇があると、日本人の
「人間の生活を一変させたような発明」
をずっと考えています・・・
でも思い浮かびません。

生活を便利にするもの豊かにするものは山のようにあると思いますが。

思い浮かんだらコメントに書きます。

Madeleine Sophie さんのコメント...

ちびたさん、そうなんですよね。悔しいのでがんばって考えてみたんですが、意外と無いんですよね。トランジスタラジオとかもすごい発明だとは思うんですが、トランジスタそのものは、アメリカで発明されましたしね。なにか思いついたらぜひコメントお願いします。

釣本直紀 さんのコメント...

>日本人は何を挙げればいいのでしょう

乾電池、光ファイバー、家庭用VTR及びVHS、味の素、養殖真珠、先物市場なんかでしょうか。

匿名 さんのコメント...

そして中国が粗悪な偽者を量産し
韓国が起源を主張するわけですなw

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