2008年8月19日

日本はロボットとマンガの国である(Le Japon)


Paris, France
仏語本「Le Japon 固定観念」の「日本はロボットとマンガの国である」という固定観念に関する章を読んでみました。

まず、西洋と日本におけるロボットの概念の違いについて説明されます。まず、西洋では創造主が人間を作ったように、人間がロボットを作るということが受け入れがたいことであるそうです。それに引き換え、日本ではおおらかにロボットを制作すると説明されています。平然と(sans complexe)、遊び心で(ludique)、超然と(détaché)、恐れなしに(sans cette peur)と説明されます。

これは西欧の一神教の概念と、日本の神道の概念による違いです。日本人は、ロボットが魂を持つことを当然だと見ています。
伝統的な神道の概念で、動物、樹木、山の岩石が魂を持つとしたら、なぜロボットがそれを持たないのか?
Si les animaux, les arbres, les rochers ou les montagnes ont une âme dans la conception shintô traditionnelle, pourquoi les robots n'en auraient-ils pas? (P.34)
同様に、日本のロボットは手塚治虫のアトムに代表されるように、人間と共生します。これは、西欧が考える血まみれのターミネータのようなロボットとは一線を画しています。ロボットは怪物ではないし、怪物もまたロボットではありません。実際、日本のマンガに登場するロボット達は、ロボット制作を職業とする日本の人達に大きな影響を与えていることが分かったそうです。

マンガに関していえば、全知全能のヒーローが描かれることが少ないのが特徴です。少年マンガの3原則(友情、努力、勝利)など詳しく説明されていることが驚きです。
ヒーローはもっと人間的で、もっと弱くて、もっと私たちに近い性格に特徴づけられる。友情、努力、勝利はマンガの成功に導く三つの原則を構成する。
Il s'identifie davantage à des personnages plus humains, plus fragiles, plus proches d'eux. L'amitié, l'effort et la victoire constituent ainsi le trois principes sur lesquels est bâti le succès des manga, qui se prolonge avec les générations. (P. 35)
また、国宝でもある絵巻『鳥獣戯画』に描かれる擬人化されたウサギ達は、ハローキティやポケモンやゴジラの祖先であると説明されます。ゴジラですら、非常に日本的なキャラクターだそうです。
避けて通れないゴジラは聖獣の化身で非常に典型的な日本の伝統である。ゴジラが悪者なのか本当はいいやつなのか誰も知らないのだ。
L'incontournable Godzilla est l'incarnation d'un « monstre divin » (seijû) très typique de la tradition japonaise. On ne sait s'il est totalement méchant ou vraiment bon. (P.36)
人類が利用する核の灰から生まれたゴジラを、日本人そのものに見立てた文章もありました。
日本それ自身もある意味、怪物的に見える:いずれにせよ日本は、歴史上に類を見ず1945年の核兵器の灰の中から完全に立ち直った。その知る才能は怪物のように最終的に優れていた、世界に生じた所有者の能力は、それから世界を屈服させることを探し求めた。
le Japon lui-même apparaît comme quelque chose de monstrueux: il émerge intact, malgré tout, des cendres atomiques de 1945, tel un être non-historique. Sa capacité de savoir s'avère finalement supérieure, comme bien des monstres, à celle du maître qui l'a mis au monde puis a cherché à le mater. (P. 37)
日本が戦後の痛手から立ち直り、日本製品が世界を席巻した時のことをこのように表現しています。すこし、大げさな気もしますが、このような大げさな意見も相変わらず残っていると感じます。本ブログの『バブル期の日本の面影』にも書いたような、固定観念です。

結論もなかなか、興味深いです。日本においてはよく教育の悪者にされるマンガが日本にとって重要な物であると結論されています。1. 「ポケモン」や「たまごっち」などのマンガやロボットは、日本の洗練された技術を世界に印象づけることに貢献する。2. 同様に、どんどん技術的になる経済において、将来の労働者である子供にロボットなどの科学技術に関心を持たせる効果がある。といったようなことが書かれています。

2 comments:

MITIKO さんのコメント...

 パリ在住ですか!!
素晴らしい・・・博士号を?
私は洋画家です。
パリの風景を描きたい。

 パリの風景写真、ぜひアップお願いします。

Madeleine Sophie さんのコメント...

mitiko さん、洋画家なんですね。個展も開催されているようで人気なんですね。パリは美術の学生や美術関係の人には良い街ですよ。美術関係者なら、ルーブルやオルセーの美術館も無料ですすね。毎日入れますよ。
1エントリに1つの写真を取り入れていますので、宜しかったら見ていってください。

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