2008年8月23日

フランス留学の最終決断の背中を押したもの


Paris, France
フランス留学の利点をまとめたエントリ群の『フランス留学のススメ』を書こうと思いたち、4月にブログを設置してからもうすぐもうすぐ5ヶ月が経ってしまいます。しかしこのエントリだけはうまく書ける自信がなくて、後回しになってしまってました。海外留学につきものの不安を最終的に振り切った経緯を書きたいと思っていましたが、時が経つほどあの時の不安は忘れてしまう一方でなので、いいかげんに書いておこうと思います。(留学の決定からはすでにほぼ2年経ってしまいました...)

修士を卒業する前には、日本に残ってサラリーマンになる道と、フランスで博士号に挑戦する道の二つの道がありました。最終的にサラリーマンの道を選ばず、フランスに行くと決めた時にはずいぶん悩みました。これまでブログにたくさん書いて来たフランス留学の利点を理解しても、最後まで不安は残ります。学位取得に失敗して、泣きながら帰国するはめになったら、人生への影響が大きすぎると考えてたのです。

しかし、ここで学位取得に失敗する最悪な場合を考えて見ても、得ることもあることに気づきます。成功か失敗かが明らかになる博士課程の終わりぐらいでもまだ30歳です。もしも失敗したとしてもそれから定年まで30年は社会で働くことになります。海外の人と共に働くこともあるでしょう。失敗の経験だとしても、『フランス留学のススメ』に書いて来たように、その後の30年にきっと役に立つはずだと考えました。また、自分の周りの人、例えば後輩がフランスに留学することになったら、自分の失敗が後輩の留学を成功させるアドバイスになる可能性もあります。失敗でも成功でも、経験は伝達可能なのです。

自分自身の人生の決定において考慮する点は、自身の利害がほとんどです。しかし、考えの限りを尽くした後、もう一つの要素として、世界全体のことも考えていました。日本の人々は海外のことについて知りたがっています。その一つとしてフランスの情報も知りたいでしょう。僕の専攻でいうと、フランスの研究者がどんな研究をしていて、どんなやり方で研究していて、どんなことを重視しているか、フランスにおける日本の研究の評価はどうか、などです。同様にフランスの人々も世界の情報を知りたがっています。日本の研究の状況も把握していたいでしょう。そんな専門的な分野だけではなく日本文化全体のことも含まれます。実際フランス人は、「日本のドラマでよく出てくる一家に一台あるらしいあの神社みたいのは何だ」とかを興味津々で聞いてきます。たぶん仏壇か神棚のことです...仏教と神道の違いについて(先祖観や死生観についても)説明する必要がありますね...

日本人はフランスのことを理解したい、フランス人は日本のことを理解したいと、こういう風に考えたとき、フランスと日本の情報交換ができる人が存在することが良いのは明らかです。”ちり並み”に微々たる影響ですが、日本人の自分がサラリーマンになって日本で働くのと、フランスの研究所で働きながら学生するのでは、後者の方がわずかながら日本とフランス双方を良くするはずです。少なくとも自分のところにはフランス留学の機会がまわって来た。この機会を無駄にすることは、ほんのわずかでも世界を良くするために貢献する機会を失うことだ、とそんな風に考えたのです。

2 comments:

yohmei さんのコメント...

はじめまして。とても興味深く読ませていただきました。成功か失敗かではなく、そこで得たものを今後の人生に生かしていくという姿勢はとても重要なことだと思いますし、僕自身見習いたいです。ところで具体的な出願プロセスについてもブログで言及していただけるとありがたいです。フランスの大学は自分にとって未知なので、とても興味があります。

Madeleine Sophie さんのコメント...

Yohmeiさん、ブログを拝見しました。持続可能な発展とかに興味があるようでしたら、フランスで学業を続けるのも選択肢としては面白いと思います。

博士課程の場合には、教授にコンタクトして募集されているサイトをよく読んで履歴書(CV)と動機書(lettre de motivation)を送れば良いと思います。あとは、教授がOKを出せばその他のことは(多少面倒なことはありますが)問題なくすすむと思いますよ。僕もこの二つを提出してOKをもらいました。その後、面接などもありました。

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