2008年8月14日

日中友好の重要性


TGV, Paris-Rennes, france
このテーマは前々から書きたかったのですが、あまりにも難しい問題なので踏ん切りがつきませんでした。途中経過でも良いので、一つエントリをまとめてみようと思います。まず、ダメだと思う関係から始めます。本ブログの「[書評] 大丈夫な日本」でも触れた福田和也氏の述べている関係です。問題の箇所は、以下の通りです。
対日本で、米中の手を組ませないというのは、日本の地政学的な政策の、基本中の基本なのです。アメリカが今後、戦前にもあった中国への錯覚、「戦略的パー トナー」のような幻想と甘い思い込みに引きずられないように、日本はさまざまに働きかける必要があります。(P. 154)
中国とアメリカが仲良くならないように何かと手を尽くせということです。言いかえると、中国を貶めることが日本の利益とも取れますし、米中対決をあおることが日本の利益だとも取れます。これが正しくない理由は、本ブログの「[書評] 大丈夫な日本」で書いた通りです。
共に覇権を目指すアメリカと中国が激突することこそ、日本を危機に陥れると考えます。核兵器を所有する米中二大大国の覇権争いに、アメリカの前線基地となった日本が、参戦するのが利益でしょうか...。
その理由を補強します。まず、中国に地理においても文化においても一番近いのは、世界の大国の中では日本です。つまり、中国が中華思想や人権侵害、食品モラルを改めず、近隣諸国に迷惑をかける国になったら一番困るのは、日本です。また、中国が友好的、先進的、きちんとしたモラルを持つ大国となれば、一番利益を受けるのは日本です。規模はだいぶ違いますが、隣国に北朝鮮があるのと、隣国に韓国があるのとどっちが良いかという問題にも類似しています。そう言う意味では、欧米諸国は中国が善悪どちらに転んでも、受ける利益/不利益は日本に比べると小さいと考えられます。こういう状況で、中国の没落やダークサイドへの転落を願うのは、欧米の侵略に対してアジアの国同士が争った太平洋戦争の構図の再来といえるでしょう。

日経ビジネスの試算では「2010年にGDPが日中逆転も」あり得るらしく、中国が堂々とした大国としての道を歩み始めるのが、少し寂しいと思う日本人は多いです。おそらく、世界における中国の重要性の増加に従って、日本の相対的な軽視が始まるのがつらいということでしょう。
「世界銀行のデータによれば、購買力平価で換算した中国のGDPは1995年には日本を抜き、米国に次ぐ世界第2位となっている。我々の最新の研究によれ ば、2013〜15年には米国を追い抜く可能性がある。中国の経済学者が目下議論しているのは“いかに米国に追いつくか”であって、日本に追いつくことで はない」
しかし、欧米からの視点で見てみると、少し違った風景が見えてきます。戦後60年間はやはり欧米中心の世界でした。日本がアジアで例外的にGDPで世界第2になったものの、やはり中心は欧米だと言えたでしょう。そんな中の中国の台頭は、日本はアジアの例外だったのではなく、戦後は世界の主導権が欧米からアジアに移りつつある過渡期だったと気づかせるものです。なんとかして、太平洋戦争の構図と同じく、中国と日本の仲違いをさせたいというのが本音でしょう。靖国問題、教科書問題、従軍慰安婦問題、尖閣諸島問題は日中の間に仕込まれた、欧米にとって便利な爆弾だと言えます。油を注げば今にも燃え上がりそうです。こういった爆弾の扱いを間違えて、日中が争う太平洋戦争を構図を再現してはなりません。

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