2008年7月14日

島国根性は外国人から日本を守った(Le Japon)


Paris, France
仏語本「Le Japon 固定観念」の「島国根性は外国人から日本を守った」という第二の固定観念に関する章を読んでみました。歴史的に日本は他の国との関わりにおいて、防衛だけでなく、侵略も行って来たことが書かれています。

まずは、日本の防衛の方で元寇や第二次世界大戦に関する文章です。
中国の帝国は他の心配に忙殺され、その強大さを日本を征服するために使わなかった。13世紀のモンゴルによる失敗に終わった遠征は外部の少数部族によって率いられていた。唯一アメリカの帝国は、第2次世界大戦の結果そこに到達するかも知れない、しかし、まったく例外的な事情で、まったく限定的な方法である。
L'empire chinois, occupé par d'autres soucis, n'a pas usé de sa puissance pour le conquérir. Les expéditions mongoles au XIIIe siècle, qui ont échoué, sont d'ailleurs menées par des peuplades extérieures. Seul l'empire américain y parviendra à l'issue de la Seconde Guerre mondiale, mais dans des circonstances tout à fait exceptionnelles et de façon somme toute ponctuelle. (P.22)
一つ目の引用では、アメリカ帝国が日本を侵略するくだりで未来形に書かれています。翻訳が適当であるのか心配なところですが、将来アメリカが日本を限定的に征服するという見方のようです。つぎに、さらにヨーロッパ諸国による植民地化が触れられていました。
中国への接触を失った日本はヨーロッパからの到着人を好意的に迎えた。しかし、彼らはすぐに「利益と布教」という彼らの征服の精神を見抜いた。植民地化の脅威に対して、日本は政治的統一を加速させヨーロッパ人を排除した。
Le Japon, perdant le contact avec la Chine, accueille favorablement les arrivants européens. Mais il découvre bientôt l'esprit de leur conquête: profit et évangélisation. Face à la menace de colonisation, il accélère son unification politique et expulse les Européens. (P.22-23)
二つ目の引用では、ヨーロッパは侵略する意図をもって、キリスト教を用いてアジアに進出し、日本はそれを阻むことに成功したことが書かれています。フランス人は、征服は民族を分断して統治するやり方で行われたことを良く知っていて、明治維新はそれに対する効率的な抵抗だったことを理解しているようです。

逆に、日本の侵略の方では、倭冦について書かれています。
公式な歴史ではそれが、なかなか告白されることは難しい。公式歴史は倭冦が日本によって制御されていたことを認知しているにせよ、不名誉なことだ。公式記録が否定しているにせよ、日本の政治に倭冦から治安を維持する能力に欠けていたことを告白することは、恥すべきことだ。
On comprend que les histoires officielles pouvaient difficilement l'avouer. Soit elles reconnaissaient que ces brigands étaient contrôlés par les Japonais, chose infamante. Soit elles le niaient, ce qui avouait l’incompétence du pouvoir politique japonais à faire la police dans son espace, chose honteuse. (P.22)
海外にいると、日本のことを悪く言う記述に出会うと強く訂正したくなってしまいます。上の引用で「infamante=不名誉な、honteuse=恥じすべきな」と書かれていているので、慌てましたが倭冦の歴史的な扱いが難しいことの理由でした。日本政府が倭冦を使って侵略を企てていたという解釈と、倭冦に対する治安維持能力が欠けていたという解釈のどちらも不名誉であることが、公式の歴史ではあまり触れられない理由として述べられています。よって日本政府は外国人が日本に対して持っている「島国根性は外国人から日本を守った」という都合の良い固定観念を広める努力をする傾向があると結論されています。

2 comments:

ちびた さんのコメント...

日本では「島国根性」という言葉をいい意味で使うことってほとんどないですよね。ましてや「島国根性」が日本を外国人から守ったなんて史実は別として思ってはいないですよね。

この著者は「島国根性は外国人から日本を守った」という固定観念を広める努力を誰に対して努力していると言っているのでしょうか?
もし日本国内に対してだったら、その努力はまったく実っていませんね(^^;)

ひょっとして日本政府は外国人に対してこういうことをしているのでしょうか?

Madeleine Sophie さんのコメント...

相撲、劇、映画を通じて日本の文化を広め、オリンピック、ワールドカップを通じて、日本の良いイメージを広げている(第二次世界大戦の悪いイメージを払拭している)と書かれた後に、「島国根性は外国人から日本を守った」という都合の良い固定観念を、外国に対して広めているという結論でした。
つまり、日本の「防衛と侵略」という歴史のうち防衛の方を強調した方が、良いイメージを植え付けやすいと日本政府は考えているということでしょう。この結論が全て正しいかどうかは分かりませんが、一理あるかも知れません。

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