2008年7月26日

日本人とフランス人の協調作業


Rennes, France
僕自身は日本とフランスで、4年ほどフランス人達と仕事をする機会を持ってきました。もちろんまったく違う文化と考え方をする日本人とフランス人なので相手を理解することは簡単ではありません。このエントリーでは、経験から学んだ日本人とフランス人が協調作業する上で特に都合が良いと思える点を紹介します。能力がお互いに補完関係にあることと、互いに英語が苦手なことです。

一つ目のポイントは、「日本の弱み:指揮官不在とフランスの強み」でも述べたのですが、「日本人は、指揮官:×、技術者:◎、兵隊:◎」、「フランス人は指揮官:◎、技術者:○、兵隊:×」だと言うことです。日本の強みとフランスの弱み、日本の弱みとフランスの弱みはきれいに対照をなしているは興味深いと思います。特に、リーダーの姿勢からフランスから学ぶことは多いと思います。

また、研究における日本人とフランス人の協調作業でも相性の良さを感じます。詳しくは、「なぜフランスに留学するのか:考え方の差異」のエントリーに書いてきました。一般的に「日本人は解決策・結果重視」で「フランス人は分析・理論重視」です。もちろん素晴らしい研究というのはどちらも揃った研究のことです。この点でも日本人とフランス人が協調するための相性は良いといえます。

[書評] カルロス・ゴーン経営を語る」で紹介した本にも日本代表の日産が「強い現場、弱い本社」、フランス代表のルノーが「強い本社、弱い現場」と言及されていました。この違う文化をうまく相互学習させる方法がルノー・日産連合の成功の鍵といえます。
あえて失礼な言い方をさせていただくなら、かつての日産は「強い現場、弱い本社」の典型だった。それが、逆に「強い本社、弱い現場」の傾向が強かったルノーと組んだことによって、そしてゴーンの就任により、本社については日産が学ぶ、現場についてはルノーが学ぶ、という相互学習のサイクルが完成したのである。(P. 531)
日本人とフランス人が協調作業をする時には、もちろん言語は英語です。僕がフランス人と働き始めた時はとにかく英語が大変でした。話すのは緊張して簡単な単語が出てこないし、文法を間違えてしゃべっているのに気づき焦ったりしていました。なぜか外国人はネイティブ並みに英語が得意だと思っていたので、自分も流暢に話す必要があると勘違いしてました。しかし、会話に慣れて来て分かったことはフランス人の英語はそれほど上手ではないということです。英語ネイティブではないので、当然です。これも、「[書評] カルロス・ゴーン経営を語る」で紹介した本に書かれていて強く共感しました。
日本人がフランス語を話せないように、フランス人も日本語が話せない。そして、日本人と同じように、フランス人も英語が苦手である。だからこそ、会議に英語が導入されたのだ。しかし、この”双方の人々がともに英語が苦手だという状況”が、やがて強みになることが分かって来た。(P.405)
その結果、おたがいに英語が出来ないということで、どちらか片方がコンプレックスを抱くことが無かったのです。(P405)
ルノー・日産連合の成功は、日本とフランスの協調作業の相性の良さが持つ可能性について、多くの人に気づかせてくれたと思います。リーダー不在に泣く日本の企業の苦悩と、解決策不足・弱い現場に泣くフランス企業のどちらにも注目に値する出来事だったと考えられます。

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