2008年6月1日

TICADで横浜宣言


wikipediaのフランス語圏より
5月30日、第4回アフリカ開発会議(TICAD)が閉幕しました。TICADの正式名称である「Tokyo International Conference on African Development」の訳は「東京国際アフリカ開発会議」であるはずなのに、外務省はわざと「東京国際」を翻訳しなかったようです。わざわざ訳さない意図は良く分かりません。

日本の主要な新聞の見出しを比べててみると、以下の7社がTICADの閉幕、横浜宣言の採択を扱ったタイトルとなっています。
  • TICAD閉幕 横浜宣言採択 NHKニュース
  • TICADが閉幕、アフリカ支援の横浜宣言を採択 読売新聞
  • TICADが「横浜宣言」採択して閉幕、食料価格高騰に「特別な関心」ロイター
  • アフリカ開発会議:成長加速へ支援本格化 宣言採択し閉幕 毎日新聞
  • 食料高騰『特別な関心』 アフリカ開発会議 横浜宣言採択し閉幕 東京新聞
  • 日本の温暖化対策を歓迎=アフリカ開発会議が閉幕-「横浜宣言」採択 時事通信
  • 食料高騰に「特別な関心」 アフリカ開発会議が閉幕 中国新聞
次に成果が不十分だったのではないかと表明されているタイトルが2社。
  • アフリカ開発会議閉幕 援助外交、課題残す 日本経済新聞
  • TICAD 目立つ福田首相の発信力不足、支援策には評価も MSN産経ニュース
対アフリカ支援の金額に触れた新聞社が1社となっています。
  • 対アフリカ最大40億ドル、首相が表明 TICAD開幕 朝日新聞
内容を見てみると、アフリカの成長を加速、減少傾向のODA開発援助を2倍に増やす、インフラ/食料危機/環境に対する支援、安保理常任理事国入りへの支持要請といった外務省のホームページの要約のような内容が多いです。アフリカとの関係を改善する狙いとして、原油や希少金属(レアメタル)などの地下資源や、未発達の新たな市場を挙げているようです。また、アフリカ援助で存在感を増す中国への対抗と捉える報道もあります。試しに、ルモンド紙を見てみたところ、面白い対比があったので、冒頭だけ翻訳します。
日本はアフリカにおける最初の政策の役割を担う(Le Japon entend jouer un rôle de premier plan en Afrique - Le Monde.fr
5月13日。この晩、在日アフリカ外交官は、東京で5月28日から30日まで開かれる第4回TICADに言及するためエジプト大使館の報道関係者に招待した。演説では、タンザニア人のアフリカ外交官代表のElly Elikunda Elineema Mtangoは日本に対して「アフリカは自然資源の宝庫」と「アフリカ大陸の53の国々が国連で票を持っていること」を忘れないように声明を発表した。

Mtango氏はいくつかの言葉で、特に中国に対して日本がアフリカにおける存在感を再確認することを認識するとの会談の争点をまとめた。TICADは、アフリカにおける中国の外交と経済を貫く会談として盛大に行われたFOCAC(アフリカー中国協力フォーラム)に2年遅れて成立する。
その後、日本のODAの額や、過去のODAの傾向などの説明が続きます。注目すべきは、ルモンドではアフリカにおいて日本と中国との対決姿勢が冒頭に示されている点です。日本の報道ではまったく言及のなかったFOCAC(アフリカー中国協力フォーラム)についても触れられています。冒頭の外務省が「国際東京」を落として翻訳しているのは中国との対決姿勢を和らげるためだったのかと勘ぐりたくなります。

日本にとって重要な地域は、アメリカ、ヨーロッパ、アジアと考えられますが、国際関係ではバランスを重視して関係を構築することが重要です。中国への対抗、資源獲得、国連の常任理事国入りなど、国益を追求するという面を除いても、アフリカとの関係強化は必要でしょう。アフリカと日本の関係強化のために働きたい若者がたくさん出てくることを期待します。このエントリーの冒頭の画像はアフリカのフランス語圏を表しています。「フランス語を母語とする話者が多数を占める国や地方自治体(藍色)、公用語となっている国(青)、第二言語として用いられている国や地方自治体(空色)、フランス語のコミュニティが存在する地域(緑)」です。アフリカ関係で働く人々は文献の調査や現地の調査も含め、フランス語と英語が必須です。FOCACでも英仏両方の正式名称が併記されています。

日本もアフリカ資源争奪へ:NBonline(日経ビジネス オンライン)

0 comments:

コメントを投稿