今回紹介したい話は、彼による「外務省: わたくしのアジア戦略 日本はアジアの実践的先駆者、Thought Leaderたるべし 外務大臣 麻生太郎」という演説です。これから彼がかなりの楽観者であることが分かります。まず、初めに現在日本人が悲観的すぎることを述べた後、日本を含むアジアの人々のことを「楽観論者の別名」と呼びます。そして、楽観主義と誠実な労働の素晴らしさを最初にアジアに示したのは、日本であったと説きます。
未来の明るさを信じる前向きの生活信条と、そのため今日、足元の苦労を厭わず、骨惜しみしないで働く労働倫理。この2つこそは、近代アジアの中では日本人が他のだれより先に、身をもって世界へ示して見せたものです。その後、アジアにおける日本の役割を以下の3つの項目で定義づけています。
- 日本は、アジアの実践的先駆者(ソート・リーダー)である
実践的先駆者(ソート・リーダー)とは、麻生流の定義では最初に問題にぶち当たって解決しようともがき、それ自体が教材となる人のことだそうです。日本が他のアジアの国々に先駆けて問題に突き当たってもがいて来た、良い例と悪い例を挙げて最後にこう述べています。
ことほどさように、日本とはアジア諸国にとって、問題にいち早く直面しまた取り組むことによって、範を示す国であり続けるのだと言えましょう。
- 日本は、アジアの安定勢力(スタビライザー)である
アジアの通貨危機のときにいち早く支援を約束したことの誠実さや、日米同盟の正しさを強調しています。外務大臣としての各国に対するアピールで目新しいことではありませんが、日本がアジアに埋め込まれた安定勢力であることの由来として、「最も古い民主主義国家、市場経済国家」であることを理由に挙げています。 - 日本は、対等の仲間意識を重んじる国である
これは、日本にいると普通だと思いますが、フランスでは普通ではありません。アフリカや中近東から来た留学生を見ていると分かります。ヨーロッパの他国とはともかく、これらの国と対等の仲間意識を持つことは不可能に近いのではないかと感じます。
日本は、150年前の開国から欧米を手本として国づくりを行い、現在の繁栄を手に入れました。これに最も衝撃を受けたのは、白人が最も優秀だと信じていた欧米の人々ではなく、隣人のアジアの国々だったと言えます。日本の成功と失敗はアジアの同胞には、実体験を通した考察を通じて手本を与えることになります。経済摩擦やバブルの後処理の不手際なども、二の舞を踏まないためにも役立てられます。このエントリーの冒頭の様々な問題も、どのように立ち向かうのかアジアの国々の注目が集まっています。
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