2008年5月13日

外務省ASEAN調査


Paris, France
「今後重要なパートナー」23% 存在感薄れる日本 ASEAN6カ国世論調査(フジサンケイ ビジネスアイ)。今月初めに公開された外務省の調査を元に配信されたニュースの見出しです。タイトルにあるような中国経済の躍進から中国の割合が増えることは予想できることですが、日本にとってどんな悲観的な結果が出たのでしょうか。その他どのようなニュースが配信されたか見てみます。「ASEANの重要パートナー」中国がトップ…6か国調査(読売新聞)や、「重要な国」、日本より中国=ASEAN対象に調査−外務省(時事通信)などがありました。どれも悲観的な内容が予想される見出しです。さらに中国の台頭が強調されているところが注目に値するところです。

外務省が調査した元の調査のデータ「外務省: ASEAN主要6か国における対日世論調査」を見たところ、意外にも日本にとって好意的な結果が出ていると見ても差し支えないようなものでした。外務省のページにPDFがあります。日本政府が公式に公開しているデータなので下にScribdを使って掲載しました。日本のイメージについて調べている調査では、「科学技術が発達した国」、「経済的に進んでいる国」、「生活水準の高い国」「自然の美しい国」、「興味ある文化を有する国」という好意的な見方がトップ5でした。調査対象には「好戦的な国」、「不可解な国」という否定的な選択肢も提示されている中で、これらの選択肢を回答した人は少ないと結果が出ています。

さらに驚きなのは、ニュースの見出しにことさら強調されている中国が、この16ページのスライドの中に2回しか出てこないことです。4ページ目の「(1)ASEAN諸国にとって、現在重要なパートナーは次の国のうちどの国ですか。」と「(2)ASEAN諸国にとって、今後重要なパートナーとなるのは次の国のうちどの国ですか。」の問いの候補として表れているだけです。(1)の問いに中国が30%、日本が28%獲得していて、(2)の問いに、中国が33%、日本が23%獲得しています。これがニュースの見出しに現れていた訳です。「日本人はなぜ悲観論が好きか」で述べた傾向が作用しているのでしょう。

調査対象者が、現在の中国経済の勢いから中国の重要性に重きを置くのは、当然考えられることで、よく考えるとここに驚きはないです。「今後」の日本の割合が5ポイント減っていることはさみしいですが、中国が3ポイント増加させていることを考えると妥当といえるでしょう。それより重要視するべきは、中国と日本に続くアメリカの割合です。アメリカは、(1)で23%を獲得したにも関わらず、(2)では13%と10ポイントも減らしています。これは、アジアの国々が、中国と日本とそれに続く韓国、インドといった地域の大国や準大国を重視し、世界の超大国アメリカを重要視しない傾向と考えられます。

伝統的に対米追従を外交方針として来た日本は、外交方針を修正しなければならない局面が今後考えられます。つまりアジアの国々がアメリカを軽視、地域の大国を重要視し、アジア連帯を志向し始めた局面での決断です。可能性として、対米追従を改めないことで日本はアジアの異端児となり、アジアとの連帯に障害が発生する事態を避ける必要性が考えられます。
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