2008年4月8日

京都議定書と環境先進国


Paris, France
海や空気は地球上で全てつながっているため、環境問題は各国が協調して取り組まないと効果が上がらない問題の一つです。さらに問題を複雑にする要素が、政治的な駆け引きです。難癖をつけて他の国より削減目標を少なくして自国に有利なルールにしたり、また環境対策という経済援助の獲得の手段となったりします。京都議定書(Kyoto Protocol)は地球温暖化問題という環境問題に世界各国での大規模な取り組みを決定した初めての条約です。 とはいえ、この議定書にも様々な問題が指摘されています。主なモノは以下のようなモノがあります。
  1. 二酸化炭素の最大排出国のアメリカが批准を拒否
  2. 発展途上国の削減義務は無し
  3. 日本に不利な目標設定
  4. 目標が達成されても温暖化問題への改善は微小
(1) まず、アメリカは批准していません。環境対策を施した工場や目標を達成するためにかかる費用が、その国の経済発展を阻害する可能性があり、そうなるとその国の国際競争力を削ぎます。(2) 多大な二酸化炭素を排出しながら経済成長を続ける大国である中国・インドは、議定書締結当時は、発展途上国と見なされていたので、削減の義務を負っていません。これには、「ここまで問題を悪化させたのは先進国の責任」という発展途上国側の言い分もあり、協調が難しい状態です。(3) 削減目標の指標となる1990年には日本はすでに二酸化炭素の削減に取り組んでいて更なる削減は難しく、さらに比較的重い義務を負わされた。(4) さらに、目標が達成されても温暖化問題の改善は微小という報告もあります。

問題の詳細はwikipediaの京都議定書に載っていますが、中でも(3)は日本の戦略的思考の弱さを露呈しているという見方があります。議長国として提案をまとめる責任から、重い削減目標を飲まなければならない状況を利用され、いわれるがままに削減目標を設定してしまったんではないかという見方です。京都規定書には排出量取引という制度があり、国として削減目標が達成できなくても排出権を購入すればOKというルールがあり、日本はカモにされたのではないかと考える人もいます。実際、国際競争力の低下を懸念した日本経済団体連合会は、削減目標に反対しています。ここまで問題点を指摘されると、京都議定書をマジメに遂行するのは意義が薄い気がしてきます。

しかし僕は日本には、環境問題でリーダー的責務を果たしてほしいと考えています。日本は単にお金を出す国としてカモにされたのではなくて、将来ちゃんと日本の利益になると考えるからです。消費者の環境意識の高まりは、環境に配慮した製品が選択される傾向を生み出し、今後は消費コストの少ない省エネな製品の人気が高まるはずです。さらに環境技術・省エネ技術に対する価値の高まりは、それら技術を保有する企業の価値を上昇させます。環境問題に本気で取り組む環境先進国・日本と、省エネ製品を作り出す日本企業とイメージをしっかり作り上げてほしいです。環境問題を考えない国の企業が省エネの自動車を出しても信用されません。つまり日本が環境先進国として認知されれば、「環境先進国・日本のトヨタの低燃費ハイブリッド自動車」という売り込み方が可能になります。日本政府は無為無策で京都議定書をまとめたのではなくて、環境先進技術を持つ日本企業のイメージを後方支援したとプラスに考えたいです。

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