2008年4月21日

技術系のグランゼコール


Paris, France
グランゼコールと大学の違いについては「フランスの教育」で書いた通りですが、フランスのグランゼコールや大学は日本ではあまり知られていないように感じます。そこで、2007年2月15日に、Le Point誌で技術系グランゼコールのランキングが発表されたので、紹介していこうと思います。Le pointと言うのは、TimeNewsweekのフランス版といった趣の、時事・経済から文化、トレンド記事まで扱っている週刊誌です。

ランキングを紹介する前にグランゼコールをランク付けした方法を説明しているサイトを要約します。2006年11月に調査票を送って回答した141の学校についてランク付けしたそうです。比較する要素は33つの要素だそうですが、種類別に分けると以下のようになります。
Le Palmarès des Grandes écoles - Méthodologie
(グランゼコールのランク付けの方法)
  • Professionnalisation : les 15 meilleures (職業訓練:上位15校について)
  • International : les 15 meilleures (国際性:上位15校について)
  • La plus attractive (学校の魅力)
  • Le plus gros budget de recherche (予算の大きさ)
  • La plus chère (生徒への待遇)
  • La plus ouverte sur le management (マネージメントの教育)
  • Le plus long séjour à l'étranger (外国への滞在期間)
  • Le plus long stage (企業/研究所への研修の機関)
  • Le meilleur salaire à la sortie (卒業後の給与)
  • Le meilleur taux d'encadrement (スタッフの質と量)
次にグランゼコールのランキングを紹介します。このランキングには学校ごとに上の要素が全て解説されているため、学校を選ぶの最適だと思います。上位校について論評を翻訳していこうと思ったのですが、論評がまだ書かれていない学校があるので、その分はそのままおいておきます。論評のある学校だけ翻訳していこうと思います。今後、Le pointの方に学校ごとの論評が書き込まれたら翻訳していきます。

Palmarès des grandes écoles - Lepoint.fr (グランゼコールの上位リスト)
  1. Ecole des Mines de Paris (パリ国立高等鉱山学校)
    1783年に鉱山工学のための技術者を養成するために設立されたパリ国立高等鉱山学校は、フランスで最も名高いジェネラリストを養成する学校である。この学校は、生徒には異例なほどのスタッフを配置し(教授は2人以下の生徒を担当)、名高い技術者/研究者による授業を提供する(博士課程の学生は約94%と最も高い)。このエリート主義の学校はしかし、高等技術者免状(BTS)の学生などと共に働くなどの社会との歩み寄りの観点で最も優れていた。職業訓練が素晴らしく(1ヶ月以下の中期の研究職務)、様々な分野に及ぶ(エネルギー、銀行、コンサルタント)。ここのディプロマは卒業の際に常に、エコールポリテクニークの卒業成績によって行われる採用であるCorps des Minesに同化する。卒業後、彼らは経済省、大蔵省、産業省や他の省庁などの責任の重い地位に就く。卒業後のキャリアが保証される。(Lepoint.frより)

  2. EP - Ecole Polytechnique - Palaiseau (エコール・ポリテクニーク)
    フランスの理工系エリート養成のための高等教育機関で、グランゼコールのひとつ。もともとはフランス革命後の著しい工兵将校不足に対処するために作られた軍の学校で、現在も国防省が所管する。(wikipediaより)
    論評は執筆中(LePoint.frより)

  3. Télécom Paris - Ecole Nationale Supérieure des Télécommunications - Cursus Paris (国立高等情報通信学校)
    論評は執筆中(LePoint.frより)

  4. ENPC - Ecole des Ponts - Marne-la-Vallée (国立土木学校)
    国立土木学校(ENPC)は1757年に設立された表彰台の常連である。高度に選択的で、施設や設備、建設、交通、工業、環境などの分野で、汎用的な技術者を育成する。言語の教育を除き、恒久的な教育を持たないという特徴的なこの学校は、教育の質で評判が高い。企業の人々に非常に開かれていて(ESSECとの業務提携が合意された)、68の教授(教員、技術者/研究者、研究者などで、言語の教授を除き全てが博士の学位を持つ。)と共に、40%の教育を確約した職業人出身の参加者(この割合は特別進学クラスのグランゼコールの中で最も高い)が教育を受け持つ。研究への出資は特に、数学、機械、持続可能な開発(水や空気の質)が目立つ。この学校のChamps-sur-Marneのパリの施設は魅力を保つ強みがあるのかどうか心配?この学校はパリの中心からRERで15分しかかからない。信者を失う理由にはならない。パリ国立高等鉱山学校と国立土木学校を比較した共通試験の得点比率がそれを証明する:なんと99%。最高の言い分だ。国際性はこの学校が強いポイントだ。ここの学生は平均9ヶ月は海外に出る。この学校は海外の学校や大学との業務提携のリストを増やしており(63校から80校)、同時に学生がダブルディグリーを取得する可能性も増やしている(17校から20校)。我々のランキングでは、職業としての研究の期間は最も弱く、初任給も最も高いグループの中で平均的、この卒業免状は何の心配もない。(Lepoint.frより)

  5. SUPAERO - Ecole Nationale Supérieure de l'Aéronautique et de l'Espace - Toulouse (国立航空宇宙大学院大学)
    論評は執筆中(LePoint.frより)

  6. ENST Bretagne - Ecole Nationale Supérieure des Télécommunications - Brest (ブルターニュ電気通信国立大学)
    論評は執筆中(LePoint.frより)

  7. ESPCI - Ecole Supérieure de Physique et de Chimie Industrielle de la Ville de Paris (国立高等工業化学・物理学校)
    論評は執筆中(LePoint.frより)

  8. Ecole Centrale de Lyon (エコール・サントラル・リヨン)
    エコール・サントラル・リヨンはエコール・サントラルグループの中でパリに次ぐ2番目の規模である。千あまりの学生の中で20%が外国人であり(一方、他の特別進学クラスのグランゼコールの平均は8%である!)、17ヘクタールのキャンパスに共に過ごし、すぐ近くのフランストップクラスのMBAであるEM Lyonと業務提携の同意がなされている。研究の科目では、サントラル・リヨンはサントラル・パリより高く、特別進学クラスの一覧表で最も高い位置にあり、特に名高い。この学校は、サントラル・パリの2倍の額である1000万ユーロを研究に割いており、これはこのカテゴリーの他の学校の3倍の額である。この学校は200ほどの企業との共同研究を行っていると結論しており(他の学校は平均80である)、同じぐらいの出版物を誇る。この学校は、まもなく市街の学校と大学の研究活動を全て再編成するリヨンの研究の新しい中核(PRES)の創立人のひとつである。市場はこの学校の学生を高く評価している:2005年には、3分の2の免状所有者が卒業証書を手にする前に採用され、その他は、職を見つけるのにせいぜい1ヶ月しかからなかった。サントラリアンのネットワークは強力である:リヨン校だけでも8000人ほどが常に現職である(これは平均の2倍である)。確かな価値である。(Lepoint.frより)

  9. Ecole Centrale de Paris (エコール・サントラル・パリ)
    エコール・サントラル・パリは2007年のPoint誌のランキング発表に際して動揺があっただろう。Châtenay-Malabryの著名な学校は3年で3位から9位へと転落してしまったのだ。特に国際性の評価ではトップ15位から外れた。「これは騒動だ」私たちは、学生達の評判を書いた。エコール・サントラル・パリは特別進学クラスの学生に最も人気のある学校の一つではないのか?なるほどそうであるがしかし、もしこの学校が普段より低位に位置しているのならば(9番目というのは"追放"と同義ではない)、何のせいなのか?それは、スタッフの質と量、応用研究の開発が平均であることだ。この学校は、我々の基準では他より低位に位置して、自身にペナルティーを課している:我々のアンケートに対する反応や、意図せず自身の成績を最小化している。我々は情報をもらって早速、我々の表の中にある間違った情報を他の学校に配慮しながら、とうぜん訂正したが、ランキングの中の特に国際性については訂正しなかった。残念:エコール・サントラル・パリは最も高いランクに入るべきだ。この学校は、質の高い提携や、ダブルディグリー、海外滞在の強力な組織など、全て同時に傑出した国際性の存在感を向上させて来た。ジェネラリストの学校、この学校はあらゆる場所で企業の人々に開かれた組織によって抜きに出ていて、特に生徒達の管理運営能力を向上させるため努力して来た。この学校を卒業して間もなく、前の数ヶ月採用されていない最悪の場合でも、パリのサントラリアンは平均して他のフランスの学校の技術者の25%増しの給与を受け取る。今年は、さらに高額の給与を受け取ったのはエコールポリテクニークとパリ国立高等鉱山学校だけであった。最高の競争力、Le point誌の次のランキングではこの学校が真実のランクに位置するだろう。条件は足を引っ張らないだろう。(LePoint.frより)

  10. Ecole des Mines de Saint-Etienne (サン・テチエンヌ国立高等鉱山学校)
    国立高等鉱山学校・サン・テチエンヌ校は、1816年に当時増大する炭坑工業の幹部への必要性から、パリ国立高等鉱山学校をモデルとして創設された。業務 の革命が過ぎ去り、2世紀が経って、この卒業免状を採用するのは、コンサルタントや監査役である。鉱山はもはや人間にとって糧となる物ではなくなったこと は事実であるので、この学校は転換するために二重に行き詰まった。そして、我々のランキングではこの学校はそれに完全に成功した。特別進学クラスの他のグ ランゼコールの中で、生徒への投資が最も多いのは事実である...この学校は、彼らの技術者に、ファイナンスや、プロジェクトマネジメントや、またマイク ロエレクトロニクスや健康工学などを学ぶ機会を与えるなど、強力に多様化している。マネジメントのクラスを言うまでもなく、他にたくさんの分野を持ってい る。生徒はまた、特別進学クラスの学校の中で最高クラスの率の教員の恩恵に浴することができる:教授一人につき4人以下の生徒。しかし、この学校の本当の 強みは研究であり、強力に工業へと転換した(特別進学クラスの学校の中で2倍に値する企業との契約がサインされた)。この学校は、リヨンとグルノーブルの 研究と競争するために、650m^2の新しく白紙の部屋を建設中である。この学校には注目だ。(LePoint.frより)

  11. Ecole des Mines de Nancy (ナンシー国立高等鉱山学校)
    論評は執筆中(LePoint.frより)

  12. SUPELEC - Ecole Supérieure d'Électricité (高等電気学校)
    論評は執筆中(LePoint.frより)

  13. ENSAM - Ecole Nationale Supérieure d'Arts et Métiers - Paris
    2006年はガザール(Gad'zarts,卒業生はこう呼ばれる)にとって難しくない年であった。学長の出だしとして、Ecole Nationale Supérieure d'Arts et Métiers(ENSAM)(Conservatoire des Arts et Métiers ( CNAM)と混同しないように)は、仮の管理人の到着による過渡期の時期として知られていた。2007年始めの新しい学長(Jean-Paul Hautier)の任命は、この学校の次に来る年の大きな方向性を定義することになった。最近の何年かは、違ったセンターの改修のために大きな投資を行った。これらの実際の努力は、同様に教育の近代化をもたらし、特に国際性を開かせた。ENSAMは海外の大学との業務提携のリストを充実させて(2005年に80校だったのを2006年に125校)、ダブルディグリーの可能性を倍増させた(2005年に23で2006年に44)。中期の海外インターンシップもまた、非常に増大した:その前には6.8ヶ月だったものを2006年に8ヶ月。この学校は、現場の技術者を養成することや、また生徒のリーダーシップの能力を向上させる試みなどで、評判が高い。最初の職を探すのに平均2ヶ月以下しかかからない。卒業生のOB会があつまるガザールの名高い連帯感は非常に強力で、常に効率的だ。(LePoint.frより)

  14. ENSIC - Ecole Nationale Supérieure des Industries Chimiques - Nancy
    論評は執筆中(LePoint.frより)

  15. ENSTA - Ecole Nationale Supérieure de Techniques Avancées - Paris
    世に知られない略字のENSTAは『先進技術』に隠れて、汎用的な技術者のグランデコールはすぐ近くのパリのと、さらに大きなPalaiseauにある。これは、名高いParisTechの11校のうちの一つである(他にはエコールポリテクニーク、国立土木学校、パリ国立高等鉱山学校など)。とても評判高く少なくない候補者を引きつける。事実、その論拠は規模だ:3分の2のENSTAの免状取得者はコースの終了前に採用が決まり、その他も平均1ヶ月以内に無期限雇用契約(CDI)を獲得する。初任給は37,000ユーロ:奇跡的な収入?他には、質の高いスタッフ(一人の教授につき4人の生徒、彼らの最終学歴は殆ど博士だ)に加え、大きく開けた教育学(3分の1以上の授業は技術に特化した物ではない)と生徒の職業訓練の強い方策(教員の3分の1が職業人であり、3年のコースの間に10ヶ月のインターンシップが義務づけられる)がある。それでは、なぜ2007年のランキングで5位も順位が下がったのか?研究の科目の活動における間違いは大きいが、しかし他の学校に比べて活動的でない(2倍少ないの資金、HDR(助教授みたいな役)の教員が少ない、企業との研究契約がすくない)。我々にとって、他の否定的なポイント:この学校の弱い国際性への展開:せいぜい5%の学生の外国滞在(平均12ヶ月)。残念、フランスが外国みたいなものなので、ENSTAはもっと大きな学校の中で、姿を見せることを主張できる。(LePoint.frより)
関連:
商業系(MBA)のグランゼコール
なぜフランスに留学するのか:フランスの教育
日本の弱み:指揮官不在とフランスの強み

Ecole de commerce et ingénieur, formation professionnelle: Le Point(フランス語)
Classement Le point 2007: Ecoles d'ingénieurs après prépa(フランス語)

8 comments:

frederic.laurent.bdx さんのコメント...

こんにちは、初めまして。私は南西ボルドー市に住む日本女性です。主人はフランス人で、子供が二人います。上が20才の息子で、今、グランゼコルの入学試験をうけています。子供の成長と平行しつつ、フランス教育システムを(何となく)理解しているつもりなのですが、正直、日本の仕組みと比較できないので、日本の家族への説明は不可能です。マドレンヌさんのブログ、拝見し、感激しました。今まで理解できず、うやむやになっていた内容や、主人と息子の会話にでてくる単語などが多少は理解できそうです。ブログを読んで勉強させてもらいます。ありがとうございます。弥生

Madeleine Sophie さんのコメント...

frederic.laurent.bdx さん、
今、グランゼコールを受験されているということは息子さんは準備学級を終えられたみたいですね。準備学級の生徒は、在学中もたくさん勉強することで有名のようなので、大変だったとおもいます。良い結果が出ることを願います。

フランスの教育の基礎から、歴史までを解説していた、[書評] エリートのつくり方―グランド・ゼコールの社会学はフランスの教育に付いて知るのに最適でしたよ。機会があればぜひ入手すると良いと思いますよ。

frederic.laurent.bdx さんのコメント...

こんにちは。返事、ありがとうございます。息子はボルドー市のeiffelクラスプレパで2年間勉強し、現在はグランゼコルの口頭試験への準備中です。4月22日から5月19日約5週間にわたって第一次通過(筆記)試験を終えました。mines, centrale, ccp, ens x, e3a全て受けています。残念ながら、ccp, e3aしか、筆記で合格しませんでした。本人の希望としてはプレパ2年生を留年し、再度トライしたいようです。しかし、留年するには先生の許可が必要ですが、どうでしょう。
確かに、クラスプレパの生徒は勉強します。息子は週35時間労働ではなく40時間労働だと言っていました。土曜日も月2度の頻度で8時から12時まで学校でした。
日本の家族に連絡して、エリートのつくり方ーグランドゼコル社会学を入手したいと思います。
ボルドーに来られる機会があれば、ぜひ、お声をおかけください。

Madeleine Sophie さんのコメント...

frederic.laurent.bdx さん、
日本だと大学浪人は一般的ですが、準備学級は卒業してしまったら、再度受験できないのですね。。。どの学校も合格すれば、将来有望だと思います。合格してからも、「[書評] エリートのつくり方―グランド・ゼコールの社会学」にあるようにエリート達には皆の期待が集まります。全員が受けることのできない教育を受けたものは、その知識を皆に還元することが求められるからです。留年するかどうかは、難しい問題ですが、良い選択をされることを願っています。

ボルドーには行ったことが無いのですが、ボルドーのワインは大好きです。行く機会があれば連絡しますね。こちらも、何かあれば気軽に連絡くださいね。

frederic.laurent.bdx さんのコメント...

マドレンヌさん、こんにちは。準備学級クラスプレパの場合、一年目の場合の浪人は不可能(進路変更)ですが二年生の場合は先生の判断で、浪人が可能と判断されるようです。息子に関しては、昨日、通信簿にadmis a redoublerと書かれた通信簿が自宅に郵送されました。
ちなみに、息子の今年のクラス42名の内、7名はredoublantsだと言っていました。
確かに、親の希望としては、ENSAM(E3A)に合格したら、浪人せず、そこで頑張って欲しいと思っているのですが。

ボルドーは今、VINEPOで町中がにぎわっています。日本人観光客もたくさん来ています。ボルドー市内、 サンテミリオンなど、とても奇麗ですよ。

Madeleine Sophie さんのコメント...

frederic.laurent.bdx さん、
なるほど、6人に1人が浪人だったと言うことは、フランスでも浪人も、一応一般的だと言うことですね。息子さんには浪人も可能だと言うことで、試験では焦らずにがんばってほしいですね。いずれにせよ留年か、入学かは難しい問題ですね。将来的にどんな風になりたいのか本人の意志が一番重要だと思います。一方で親の方が経験もあるので有益なアドバイスができます。ぜひ自身の意見を聞かせてあげてくださいね。

匿名 さんのコメント...

こんにちは。アドバイスありがとうございます。可能な範囲(特に金銭的な面ですが)で、本人の希望がかなうようにと考えています。ご存知のように、フランスは学費が、親の収入によっては全く無料といった得点があります。その他、学生保険加入無料、グランゼコル試験もほとんど無料に近い費用ですみました。今、筆記で受かった内から3校を選んで口頭試験の準備をいています。グランゼコルによっては、学費無料となるようですね。先日、インターネットで知り、主人と驚いてしまいました。
ボルドーに来られる際は、ぜひ連絡してください。お元気で。

Madeleine Sophie さんのコメント...

いい結果が出ることを願っています。お元気で。

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