2008年4月17日

[書評] 外国語上達法

外国語上達法 (岩波新書 黄版 329)フランスに来て感じたのは、バイリンガルは別に自慢することではないということです。そもそも親の母国語が違う場合には、英語を含め最低でも三言語はしゃべりますし、フランスに来る留学生はフランス語+英語+母国語の最低三言語はしゃべります。例えば、チュニジア、アルジェリアから来た留学生だとアラビア語、フランス語、英語を完璧にしゃべります。日本に長くいたチュニジア人の友達は、アラビア語、フランス語、英語、日本語をしゃべりました。そして恋人の母国語がスペイン語だし、スペイン語もやってるとか言ってました。彼にとっては5カ国語ぐらいできるのは自慢でもなんでもないようです。

翻って日本人を見ると、10年英語を学んでも「ハロー、マイネームイズ,,,」の域を出ない人がたくさんいるように感じます。これは、英語を学ぶ意義を分かっていないからじゃないでしょうか。僕も英語は、試験でたくさん点を取るために勉強するものだと思ってました。本書では、以下のように紹介されています。
...日本の語学教育における文法偏重は、百害あって一利なく、"外国語習得脱落者"養成の最良コースなのである(P.42)
本書は、1986年に初版されていて、外国語習得の定番の書と位置づけられています。本書を手に入れる利点は、二つあります。一つは今からあたらしく言語を学び始めて、その言語で流暢に会話することは、決して遅くないということを理解するためです。いわゆるモチベーションを掻き立ててくれる書です。二つ目は、言語を学習するための基本を押さえるためです。本書には言語を習得する王道が書かれているのですが、知らないと後で無駄な努力をすることになるかもしれないのです。王道だけに言われてみると当たり前のことばかりなのですが、知らないと損をします。
外国語の習得は始めたら規則正しく、たとえ短い時間でも毎日することが大切で、減食やジョギングと同じように少しずつでも毎日する方がいいことは明らかである。(P.199)
本書に書かれている上の言葉は、当たり前だろうと言われそうですが、この通りなのです。僕はフランス語学習の経験をなしにフランスに来てしまいましたが、来てからは毎日学習するようにしています。フランスに来て11ヶ月ですが、フランス語の会話、ミーティング、メール書き、読書、研究報告などなど、できるようになりました。朝起きてから研究所に行くまで、料理を作ってる間、掃除の間、移動中、トイレの間、時間は作ろうと思えばいくらでもあります。また、文法嫌いの人には、下の言葉を捧げます。文法は偉い先生達の努力の結晶で、もしそれがなければ自分でその法則を発見しなければならなくなります。
文法は、従って学生が外国語を学ぶのを容易にしているありがたい業績なのである。(P.81)
その他、以下のような外国語を学ぶエッセンスのような言葉もありました。
「外国語を学ぶためには、次の三つのものが揃っていることが望ましい。その第一はいい教科書であり、第二はいい教師で、第三はいい辞書である。」(P.42)
触発されて僕も言語習得に必要な三つ挙げたいと思います。それは、第一に電子辞書と第二にipod(mp3プレイヤ)と第三に単語帳(携帯ノートとペン)です。電子辞書は、持ち運び便利、単語を引くのに3秒しかかからない、ワンタッチで単語登録可能など、従来の辞書にはない特徴が備わってます。ipodは教科書付属のCDやpodcastなどでネイティブの会話がいつでも聞けるので、必要不可欠です。多くの外国語の会話には約3000単語必要と言われており、なるべく早くこれを達成したいものです。よって単語帳は必要不可欠です。3番目以外は比較的高価なものですが、本書の著者も現代の状況に合わせて本を書き直すならば、強く薦めるモノ達だと考えます。最後に、本書からの引用。
やる気よ、やる気。やる気さえあれば、めじゃない、めじゃない(P.104)
外国語上達法 (岩波新書 黄版 329)
千野 栄一 (著)

目次
(手入力)
1. はじめに - 外国語習得にはコツがある
2. 目的と目標 - なぜ学ぶのか、ゴールはどこか
3. 必要なもの - "語学の神様"はこう語った
4. 語彙 - 覚えるべき千の単語とは
5. 文法 - "愛される文法"のために
6. 学習書 - 良い本の条件はこれだ
7. 教師 - こんな先生に教わりたい
8. 辞書 - 自分に合った学習辞典を
9. 発音 - こればかりは初めが肝心
10. 会話 - あやまちは人の常、と覚悟して
11. レアリア - 文化・歴史を知らないと
12. まとめ - 言語を知れば、人間は大きくなる

0 comments:

コメントを投稿