2008年4月5日

フランスと日本の右派・左派


Carnac, France
僕が日本を発ったのは、フランス新大統領が決まったその日、フランスにやって来たのは、フランス大統領が決まった翌日でした。日本でもフランスでも フラン ス人研究者と共に働いていたために、フランスの政治については彼らからいろいろ聞いていました。彼らは、政治の話をまじめにしだすと、2〜3時間は熱心に 議論します(あと、歴史の話も長いです)。政治や国家の方針といった戦略的な決定は、自分と家族に重大な影響を及ぼすモノとして認知されています。

僕は選挙には行くようにしていますが、日本の自民党と民主党、その他の政党の極度に矮小化された些末な議論を見るのは、興味深いと思ったことは全くありませ ん。日本にいた頃、右派/左派/保守/革新の何が違うのか全く分かりませんでした。二つの政党が反対のことを言うだけが議論だと思っていました。フランス に来てからは、彼らの政治議論を聞くことも多く、右派/左派/保守/革新について知ったことをまとめたいと思います。

まず第一に現在、右派=保守=自由左派=革新=平等という式があります。右派/左派/保守/革新というのは、つまり民主主義における自由平等の バランスのことだったのです。そしてこの自由と平等のバランスというのは、相対的なモノで、国によっても程度が違うのです。例えば、フランスは全体として 平等重視(左派)の国でなので、フランスの右派は自由重視(右派)の国アメリカの左派よりも左にいたりします。国別の傾向を図で表すと以下のようになりま す。
自由(右派) ー アメリカ ー 日本 ー フランス ー 中国の理念 ー 平等(左派)
これで、右派左派の定義が終わるならすっきりするんですが、この概念は時間と共にも変化しています。例えば、18世紀にフランスで絶対王政が倒れたときには、体制派=保守=右派=王政で、ブルジョワの市民=革新=左派=自由と いう図式でした。絶対王権が倒れたのは、絶対王政に対して平等を求めた結果ではなく、力を付けたブルジョワ(資産家)が自由に商業を行うことを求めた結果 でした。王権神授説を初めとする絶対的正義だった秩序が、国王と貴族を処刑するというショッキングな形で崩壊する事態は、まさに革新という名がふさわしいでしょう。その時代にフランスに生きた人と、依然として国王が絶対的正義の象徴として君臨する近隣諸国の衝撃は凄まじいモノだったはずです。

その後、行き過ぎた自由によって、ブルジョワ(資産家)とプロレタリア(労働者)の不平等が拡大し、労働者から平等を求める運動が始まります。ここに至って、現在の図式が出来上がります。つまり
資産家=右派=保守=自由  労働者=左派=革新=平等
です。大雑把に言うと2007年のフランス大統領選では、サルコジは資産家の味方で、ロワイヤルは労働者の味方でした。

ここまで分かったところで、ところで右派左派の定義に戻ります。右派左派が掲げる自由や平等は時代によって変化し、またその擁護する対象も移り変わります (右派は王権→資産家、左派は資産家→労働者へと擁護の対象を変えました)。そうすると何をもって右派左派を定義すれば良いでしょう。政治家や活動家はす べて、社会をより良くするために、日々議論をします。ただ、右派と左派ではその手法が違うわけです。そこで、右派は現状の傾向を維持したまま社会を改善し ようとし(保守)、左派は現状のシステムを過激に作り替える考え方(革新)と考えると分かりやすいと思います。

翻って日本の政治考えると、このような論点が明確になっているとは言いがたい状態だと思います。論点が絞れていない理由は、日本にはアメリカの自由重視の思想が色濃く反映されて いるため、自民党も民主党も自由という点であまり変わりがないことや、日本では会社が大きな家族的経営を行って来たため、資産家と労働者の対立が起こりにくい点などがあったと思います。今後は、「なぜフランスに留学するのか:拡大するEU」編において述べた多極化する世界と、グローバル化する世界で、アメリカの影響と家族的経営の影響力も弱まります。日本でも保守と革新の一長一短をマジメに議論する時期が来ているんだと思います。

2 comments:

匿名 さんのコメント...

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