現在、世界で広く利用される言語が英語であり、日本で第二言語として英語を選択することは当然です。日本から海外に出ると世界は全て英語みたいなイメージをすることも分からないでもありません。冒頭の政治家が民主主義で選ばれたのは、案外そう思っている日本人もいるということかも知れません。これは誤解で、母国語としての言語を見てみると、英語は1番ではなく、さらに2番でもありません。以下のサイトを見ると、中国(9.3億)、スペイン語(3.3億)、英語(3.2億)となります。さらに、ヒンディー語を統一の言語としてみると、英語は4位となります。同じサイトでは、6つの要素から言語の影響力を算定し、フランス語は英語に次ぐ影響力を持つと結論づけられています。
The World's Most Widely Spoken Languages冒頭の発言が日本語で行われたことはどれだけ滑稽なことか、冒頭の政治家には猛省を求めます。僕はフランスに来て、フランス人がこの発言を知らないことを願っていたのですが、残念ながら友人のフランス人は知ってました。彼が笑いながら、まともに取り合ってなかったのが救いですが、気分がいいモノではなかったでしょう。
http://www2.ignatius.edu/faculty/turner/languages.htm
6つの要素(母国語、第二言語、使用人口と使用国数、その言語が国際的に使用される分野数、使用国の経済力、社会的な威信)考慮し、世界で最も影響力のある言語を一覧にした。(カッコ内はポイント数)
After weighing six factors, Weber compiled the following list of the world's ten most influential languages: (number of points given in parentheses)
- 英語(37)
- フランス語(23)
- スペイン語(20)
- ロシア語(16)
- アラビア語(14)
- 中国語(13)
- ドイツ語(12)
- 日本語(10)
ヨーロッパの国家間の約束事を決める条約が何語で書かれていたかを見ると、1700年ぐらいまではラテン語、1700年〜1900年はフランス語だったそうです。1919年のヴェルサイユ条約の正文にフランス語と共に英語が採用され、英語が国際語として認知されたことを考えると、英語の国際語としての地位はまだ100年と言えます。
2回の大戦を経て、強大な影響力を持つに至ったアメリカが英語の国際的地位を高めたのは間違いがありません。グローバル化やインターネットによる情報の伝達は英語の重要性をさらに高めました。中国と南米(多くはスペイン語)の台頭を考慮しても、2008年現在25歳の学生が現役で働く少なくても2040年ぐらいまでには、この傾向は大きくは変わらないでしょう。僕も、学生が海外に出る際には、英語の読み書き会話はきっちりとできるようになってから出てほしいと願います。しかし、世界は英語だけでは無いことを知っておくことは重要です。
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