2008年4月7日

それは私の間違いじゃない


Versailles, France
「僕のせいじゃない」。日本語で言うと、子供の言い訳にしか聞こえないこの言葉でも、フランス語で"C'est pas ma faute."はまさに老若男女が毎日絶え間なく使う言葉です。僕自身の経験としては、フランス語の授業で先生(50代、女性)がヴァカンスに行く予定をフランス語クラスの事務所に伝えたのに、生徒には事前に伝わっていなくて生徒は教室で待ちぼうけを喰らったことがありました。次回に先生は遅刻してくる生徒が来るたびに"C'est pas ma faute."を連発して、言い訳をしてました。

日本の慣習からすると自分に非が無くても、生徒が迷惑を被ってしまった場合には、とりあえずは、「ごめんなさい。」と始めると思います。自分の言い訳は見苦しいと取られがちで言い訳は最小限に抑えて、謝られた方が「しようがなかった」と認め、許すことになると思います。これをもって、日本人の方が大人で謙虚で、フランス人の方が子供っぽいというわけではありません。許す側が相手に想いをいたす文化(日本)とすべての人に真実を明らかにして納得させる文化(フランス)という、文化の違いです。

例えば、職場である人がもう一人に迷惑をかけたとして、その他の同僚10人が彼らの言い争いを見ているとします。フランスでは、まず"C'est pas ma faute."が出て来るでしょう。この際、「ごめんなさい (Je suis désolé)」はありません。迷惑をかけた人は、迷惑をかけた人と同僚10人に自分に非が無いことを納得させるまで、話をやめないでしょう。

同じ状況が日本だと、どうでしょう。「ごめんなさい」で始まり、控えめな言い訳をします。迷惑をかけられた人が自分に非が無いことを認めてくれなくても、話を聞いている同僚10人は暗黙の了解で、「しかたが無かったこと」を分かってくれるだとうと、自分が悪人になっても話を流すでしょう。そして、同僚と仕事を再開するでしょう。これが、和を持って貴しとなす日本の文化です。

さて、どちらの方が国際的に普及している文化かというと、全べての人に真実を明らかにして納得させる文化といわざるを得ません。太平洋戦争の問題、靖国神社問題の対応を見ても、日本がこの文化の違いを見落としているという指摘は、外れていないと思います。

文化にはかならず一長一短があり、日本の文化は国際的に普及していなくても長所はあります。フランスの文化では、相手が納得するまで論争が終わらないのに比べて、日本の文化では論争は長続きしません。相手を思いやり許すことで、非のありかは二の次として、日本では迅速に調和が訪れます。日本の良いところを認識して、他の文化の理解も進めたいところです。

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